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[コメント] ビッグ・フィッシュ(2003/米)

希有なお伽噺作家ティム・バートンが現実へ着地した結果は凡庸。リアルタイム同世代監督の限界に思えて悲しかった。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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実は総て真実でしたという話か、本当は全部嘘でフェイクの裏には壮絶で悲しい実話があったのでした、というならまだしも、中途半端に本当で中途半端に嘘なんだったらただのお調子者のいい加減なオヤジじゃねーか。

バロン』『フィッシャー・キング』『フォレスト・ガンプ』『バック・トゥー・ザ・フューチャー』『江分利満氏の優雅な生活』果てはフェリーニか清順か。ティム・バートンが意識したかしないかに関わらず、いろんな映画を彷彿とさせる。いや、俺が勝手に連想しただけだが。

勝手に連想しといて失礼な話だが、先達の描き出した奔放なイメージはどうよ。それと比べて本作はどうよ。どうなのよ。いや、比べるのも失礼な話なのだが。ストーリーはおろか映像のイメージすら先が読めちゃう。まるっきり予想の範疇。どうしたティム!そんなもんじゃなかったろうバートン!

ここんとこ『キル・ビル』なんかもあったせいか、貴重な「リアルタイム同世代(もちろん監督達の方が年上だが)売れっ子作家」(しかもオタク)の限界がこれなのかと思えてしまった。なんだか我が事のように悲しくなった。

(評価:★2)

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