[コメント] チャンス(1979/米)
私にはこの作品がコメディには見えなかったんですよね。むしろ暖かいファンタジー。『クリスマス・キャロル』みたいな感じ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
チャンスは最初のご主人様が亡くなっても無反応でしたが、ベンが亡くなった時にはハッキリと涙を流します。ここが話の核に思えました。
だからこの作品はチャンスを過大評価する人々を笑っているとは思えないんです。むしろそういう人の無邪気な善意の肯定こそがテーマだったんじゃないかなと。
この作品を見ていて、私は『クリスマス・キャロル』(小説の方です。映画版は観たことがありません)を思い出しました。ベンはクリスマス・キャロルのスクルージ、あるいは新自由主義者みたいな人であることが繰り返し語られますが、最後には(常に庇護される存在であり、新自由主義者が最も嫌う人種の)チャンスに心を救われ、自身が築いた資本帝国も美しい奥さんも全部あげてしまうわけです。チャンスを疑っていたお医者さんも最後には彼の優しさに打たれます。
そんな小難しいことを考えなくても、映像や音楽の美しさだけでも芸術的に美しい作品だったと思います。――ただせっかちな私にとっては少々ゆっくりすぎました。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。