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袋のうさぎさんのお気に入りコメント(12/23)

立ち去った女(2016/フィリピン)★4 リュミエール回帰とでもいうべきキャメラ置きっぱなしのプリミティブ感がとても好ましく、主題を呼び寄せてもいる。4時間弱使ってなお細部が隠されたままという物語話法も独特の味がある。 [review] (寒山拾得)[投票(2)]
オフサイド・ガールズ(2006/イラン)★5 一見するとドキュメンタリ・タッチの即興風だが、脚本もコンテも非常によく考えられている。あるいは本当にこれが即興だとするならば、それこそ凄まじい演出力だと云わねばなるまい。 [review] (3819695)[投票(2)]
立ち去った女(2016/フィリピン)★4 3時間48分を費やして物語りながら饒舌すぎず、ひたすら凝視し続けて寡黙すぎない不思議な語り口。99.9%の固定ショットの客観を、突如切り裂く0.01%の手持ちショットの主観の衝撃と破壊力。それは贖罪が復讐を凌駕した瞬間であり、新たな罪が生れた瞬間でもある。 [review] (ぽんしゅう)[投票(2)]
アフター・アワーズ(1985/米)★4 この頃のスコセッシは「俺もこんなに軽く撮れる」ということを見せつけていた時期だ。こういうものを見ると「スコセッシにはずっと失敗作を撮り続けて欲しい」と思っていた。しかしこれだけテクニックを使ってキチンと画面で納得させる演出は矢張り天才的だ。ロザンナ・アークェットがとても可愛い。火傷のおかしさ。 (ゑぎ)[投票(2)]
アフター・アワーズ(1985/米)★4 サラリーマン版『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』的不条理ローラーコースター映画。教訓ゼロの小咄のような佇まいが愛らしく、まるでオープンセットのように迷宮感に優れた街路ロケのカットもいい。『ワン・フロム・ザ・ハート』や『アイズ ワイド シャット』と並べてみたい。いちばん笑ったのはバリカン責め。 (3819695)[投票(1)]
ブレードランナー 2049(2017/米=英=カナダ)★5 実存と生命と愛。滅びと対置される強靭なシンプリシティ。「魂」に触れる驚き。(再見して追記) [review] (DSCH)[投票(9)]
ブレードランナー 2049(2017/米=英=カナダ)★5 越えられない壁の物語。 [review] (おーい粗茶)[投票(12)]
歴史は夜作られる(1937/米)★4 ファーストカットが手前に水上飛行機の羽根、奥に海に浮かぶ豪華客船を天上から映した大俯瞰で、もうこの時点でこの映画の出来具合が推量できる。しかし何といっても後半の船上の描写、特に霧の表現が見事だ。このあたりは全くもってグレッグ・トーランドの刻印。 [review] (ゑぎ)[投票(3)]
ブレードランナー 2049(2017/米=英=カナダ)★5 おそらく前作のような「伝説」になることはないと思う。だが、前作の余韻を残しながら重厚に描いた未来に時間の経つのも忘れて引き込まれた。 [review] (サイモン64)[投票(6)]
ソニはご機嫌ななめ(2013/韓国)★5 短気な自己チューで倫理観低そな彼女だが、一方で酒付き合いだけは良く止め処ないグダ喋りにも延々付き合ってくれてエッチ障壁も低い。そういうピンポイントのホン・サンス的理想に激しく同調する。ラストの鉢合わせは一応やっただけで本気でもなさそう。 (けにろん)[投票(1)]
ソニはご機嫌ななめ(2013/韓国)★5 無造作なようでスルリと決まるズームやパンと、絶妙なタイミングで男を鼓舞する能天気な歌曲が、若さゆえにか自分しか眼中にない気まま娘の嘆息と、堂々巡りの御託を垂れ流す男三人衆のどん詰まりを、一瞬にして「映画」へと解放する。ホン・サンスの職人技。 [review] (ぽんしゅう)[投票(1)]
パリのナジャ(1964/仏)★4 セルビア出身米国籍というコスモポリタンなナジャについて何処ぞに有りがちな孤独や関係性とかのファクターは一切フィーチャーさせずパリという街を満喫させる。パブで知らぬ親爺たちの卓に割り込み話に聞き入るってのはインテリシネフィルの幻想にしても。 (けにろん)[投票(1)]
真夜中まで(1949/仏)★4 ルイ・ジューヴェの辛口の気韻に酔わされる一作。公と私とが不幸な交錯をしてしまう時の身の処し方を、ルイ・ジューヴェが渋く演じ切った。いかにもなノワールな女アンヌ・カンピオンの退廃さと、ノワールらしくないマドリーヌ・ロバンソンの高貴さの対比が強烈な芳香を放つ。 (ジェリー)[投票(1)]
バタリアン(1985/米)★4 走るゾンビを扱いながらも、「走る」「不死身」等のゾンビの特性をスラップスティック的な喜劇性のある運動として演出し、一応の成功を収めている。走るゾンビを恐怖の対象として演出せんとする失敗作が累々と積み重なっている現状を考えると、本作のような「笑い」に逃げるのも一つの選択としては有りだろう。 (赤い戦車)[投票(1)]
冬の旅(1985/仏)★4 出生由来やよくあるトラウマ等の帰納法的帰結ではなく、唯ひたすらに事象を演繹的に描くことにより自ずと浮かび上がる少女の強烈な自我と心の底まで冷え込みそうな孤独。一種の絶対映画の域に達している媚びの無さだと思うが余りに救われない気持ちになる。 (けにろん)[投票(2)]
さすらいの二人(1975/仏=伊=スペイン)★5 現実に現実を逃避する現実逃避の可能性。 [review] (hk)[投票(2)]
三度目の殺人(2017/日)★3 自らが象徴であることを隠しもしない象徴たちは、一義的な解釈への収束を強迫神経症的に恐れて予防線を張り巡らす営みに没頭している。だが「映画」は断じて象徴読解ゲームではない。そも十字(架)に逸早く「裁き」の徴を見る福山雅治が胡乱だ。彼がローマ帝国民かパリサイ派だというなら道理は通るが。 (3819695)[投票(3)]
新感染 ファイナル・エクスプレス(2016/韓国)★4 感染者たちが元気いっぱいでいい。オンorオフが明確な襲いっぷり(口ばくばく)は任天堂「スーパーマリオブラザーズ3」のワンワンを彷彿させる。「列車」はさすがに映画的舞台で嬉しいが、空間の活用度は満点に遠い。たとえばハドソン「チャレンジャー」一面のように屋上でもアクションを繰り広げたい。 [review] (3819695)[投票(6)]
リヴァイアサン(2012/米=仏=英)★4 「意味」への還元をいっさい拒んだ画像と音響はひたすら視聴覚を刺激して「映画」の美学に更新を迫る。暴力的に予測不能のカメラワークとアングル。無鉄砲な接写のスペクタクル。絶え間なく轟くインダストリアル・ノイズ。不可解にくぐもった人語の響き。鳥のカットはほとんどすべてが滅茶苦茶格好いい。 (3819695)[投票(1)]
エイリアン:コヴェナント(2017/米=英)★3 序盤、強烈な眠気に襲われたが、着陸後はなんとか見られた。しかしながら突っ込み所は相変わらず満載で、宇宙飛行士にして武装もしている上陸部隊の、科学者としても軍人としても全く訓練されてないアホぶりにはあきれかえる。次作でなんとかエイリアン1につなげようという腹なのだろうか。 [review] (サイモン64)[投票(4)]