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Sigenoriyukiさんの人気コメント: 更新順(1/4)

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★3ゼロ・グラビティ(2013/米)サンドラ・ブロックの娘やジョージ・クルーニー周りでの感傷的な小話を挿むことでまるで名作のように見せかけようとしているのが鼻につく。この映画は『トゥモロー・ワールド』より予算をかけた大作であるとはいえ、90分という上映時間を鑑みても本質的にはただのB級サスペンスでしかないだろう。 [review]モノリス砥石, ロープブレーク, 赤い戦車[投票(3)]
★4スパルタカス(1960/米)この時期に作られたローマ史劇ものの中では本作が最高傑作だろう。これだけの大作を画面の隅々までコントロールしてみせたスタンリー・キューブリックの手腕は見事としか言い様がない。本人のプライドが許さなかったのだろうけれど、変に作家ぶったりせずにこういう大作専門の職人監督として活躍し続けてくれたなら映画史はもっと面白いものになっただろうに。マカロン, ぽんしゅう, 3819695[投票(3)]
★5空の大怪獣 ラドン(1956/日)ゴジラ』を遥かにしのぐ傑作。スタンダードサイズの画面の構図、フレーミングはほぼ完璧である。屋内の場面では常に画面内に窓が配置され空間に開放感と奥行きを与えるように設計されている。高低差のある場所を意識して選んだと思われるロケーションや炭鉱内の美術は最良の西部劇のように素晴らしい。 [review]ペンクロフ, ゑぎ[投票(2)]
★3ゴジラ(1954/日)本多猪四郎の演出にしろ円谷英二の特撮にしろ大したものだとは思えない。しかしゴジラの東京襲撃場面の緊張感は後の作品の追随を許さない出来映えだ。これは作り手が戦争や空襲の現実を「知っていた」から、というよりは誰も怪獣映画の撮り方を「知らなかった」ことが原因なのだと思う。本作のゴジラは「怪獣」ではなく得体の知れない「何か」として撮られている。だからこれは怪獣映画ではない。だからこそ恐ろしい。ジェリー, DSCH, ゑぎ, Orpheusほか8 名[投票(8)]
★2インターステラー(2014/米)ベタベタな親子愛の描き方からもわかるように、本作はクリストファー・ノーラン作品の中でも最も幼稚な作品だろう。しかしこの幼稚さは好ましくさえある。マシュー・マコノヒークリスチャン・ベールレオナルド・ディカプリオのように任務を遂行する際にうじうじ悩んだりしない。映画が描くべき人物とはこのような真っ直ぐに生きる人間だと思う。 [review]ゑぎ, 3819695, 緑雨[投票(3)]
★4キャスト・アウェイ(2000/米)この映画には本当にびっくりした。いわゆるロビンソン・クルーソーものがまともな映画になるはずがないと高を括っていたからだ。無人島に役者が一人いるだけでは映画の魅力の一つである会話劇や視線劇を成り立たせることができないため退屈で平凡な描写に留まると踏んでいたのに前述の問題点をあっさりと解決してしまっているのだから全く大したものだ。 [review]ジョンケイ, ゑぎ[投票(2)]
★4ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012/日)断然支持する。テレビの延長線上にあった以前のシリーズよりも立体的な構図やカメラワークが多用されており映画たろうとする意欲が感じられる。音楽と映像を見事に同期させたアクションシーンも『ファンタジア』の頃からの伝統に沿うアニメーションの正しい姿であると言って良い。ひたすら画面と音響を堪能するという点において前作よりもよほど優秀な娯楽映画である。 [review]けにろん, Ikkyū, DSCH[投票(3)]
★2アメリカン・スナイパー(2014/米)心理描写中心の厭戦映画だと勝手に推測していたのだが、これが意外にも痛快娯楽アクションのノリで撮られているのだ。会話にはユーモアが溢れ、ライバルのスナイパーとの対決があり、爆破やVFXを用いた大スペクタクルもある。敵はほとんど人格を描かれないただの的である。これが悪いとは言わない、むしろ好ましいとすら思う。しかし困ったことにこの映画は痛快娯楽アクションとしてあまりにもつまらないのである。 [review]太陽と戦慄, ALOHA, jollyjoker, けにろんほか6 名[投票(6)]
★4ザ・ウォーク(2015/米)まずはパントマイム他各種曲芸に綱渡りスタント、おまけに全裸ダンスまで見せてくれたジョセフ・ゴードン・レヴィットに敬意を表そう。綱渡りの話なんかどうやって映画にするのかと訝しんでいたが序盤のフランスパートは喜劇、アメリカパートは犯罪映画的とうまいこと映画の文体に落とし込めている。たとえ3Dで見なくとも奥行きのある構図は十二分に効果的である。 [review]ゑぎ, ペンクロフ, tredair, プロキオン14[投票(4)]
★4炎628(1985/露)多くのクローズアップにおいて役者が真正面=カメラの方を向いている。単純に解釈すれば観客に向けて問いかけているということなのか。 [review]ゑぎ[投票(1)]
★4シンドバッド7回目の冒険(1958/米)どうしてもこういう映画では特撮に携わった人間ばかりが注目されるが、本編監督の仕事もちゃんと評価されるべきだと思う。ネイサン・ジュランレイ・ハリーハウゼンと組んだ監督の中では最高の演出力の持ち主だろう。傑作というほどではないが、実に安定感のある面白さだ。映画が特撮を盛り上げ、特撮が映画を盛り上げる。映画と特撮の理想的な関係がここにある。 [review]寒山拾得[投票(1)]
★4バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(2016/米)目下のところザック・スナイダーの最高傑作だろう。撮影がラリー・フォンへと戻ったのは大成功だった。台詞が少ない、説明しない。人物は迷わずにただ行動し続ける――ヒーローというのは、目的がひとつしかない人物のことだ。そのただひとつの目的がなんであるか、その目的が邪悪であるか軽薄であるかポジティブであるかにかかわりなく、それがヒーローなんだ。(ジョン・カーペンター) [review]死ぬまでシネマ, Orpheus, ロープブレーク, けにろん[投票(4)]
★3ラ・ラ・ランド(2016/米)やはり歌唱シーンではA Lovely Nightが最も優れており、ここはあのLAの夜景が見える丘のロケーションを選べた時点でもう勝ちだったと思う。そうした歌唱シーン幻想シーンには評価すべきところもあるのだが、ドラマ部分の演出が平凡というか力押しなところがありどうにも退屈である。なんというかミュージカル映画というジャンルにおける『シン・ゴジラ』みたいな作品だなと。 [review], おーい粗茶, ぽんしゅう, 緑雨ほか8 名[投票(8)]
★4惑星大戦争 THE WAR IN SPACE(1977/日)リボルバー式カタパルトは西部劇であり、轟天が敵のローマ船のオール状ビーム砲を叩き割る場面は明確に『シー・ホーク』冒頭のあの素晴らしいミニチュア海戦へのオマージュだ。的確な構図・編集、人物の出入りの処理のうまさ。福田純の職人的演出は全く衰えていない。少なくともかつての娯楽活劇の再現という点において『スター・ウォーズ』や『宇宙からのメッセージ』よりはるかに優れている。disjunctive[投票(1)]
★4スキャナー 記憶のカケラをよむ男(2015/日)回想と泣かせのしつこさ、台詞が多分に説明的であるなどいくつか気に入らない点もある。しかしそれでも金子修介の職人的手腕がいかんなく発揮された彼にとって久々のメジャー映画にして秀作であることは確かだ。タイトルの円運動と音楽、消えた女への執着、殺人鬼の造形、ドリーズームなど随所でアルフレッド・ヒッチコックを連想させるがパロディの域は出ていないか。 [review]死ぬまでシネマ[投票(1)]
★3シン・ゴジラ(2016/日)こういう規模の企画を一本の映画としてまとめ上げ、なおかつ興行的にも成功させる、庵野秀明という人は映画監督である前に一流の映画プロデューサーなのだろう。この映画最大の不幸は田中友幸円谷英二に当たる人物はいても本多猪四郎が不在という点である。いびつな映画だが『真昼の決闘』を見た人間が『リオ・ブラボー』を作ったような事態が起きることを期待し、この映画の成功自体は大いに歓迎する。 [review]Orpheus, NOM, おーい粗茶, YO--CHANほか12 名[投票(12)]
★3GODZILLA ゴジラ(2014/米)ギャレス・エドワーズという人が怪獣映画についてよく勉強していることはわかる。何気ない場面までまるで怪獣を撮るように撮っている。例えば廃墟となったジャンジラ市に捨て置かれた車のドアミラーにヘリが映り、そのヘリを父子二人が目で追い謎の施設が映されるまでの一連のカット割および目線の動きなんかがそうだ。本作は特撮場面に用いられる演出を本編でも使ってみせる一種の実験映画として見るべきなのかもしれない。 [review]Orpheus, 3819695, けにろん[投票(3)]
★2シビル・ウォー キャプテン・アメリカ(2016/米)何度も画面真ん中にデカデカと白文字で地名を表示するのはそうでもしなければ場所が移動したとすらわからない、地形や空間、気候を生かした場面を設計できていないことの現れか。アップ主体の狭苦しい画面が示すとおり、人間関係も結局パパ・ママ・トモダチに終始する世界の狭さ。民衆の視点がまるで描かれていないくせに、ヒーローへの同情をあおり続ける演出・脚本は不愉快極まる。 [review]Orpheus, disjunctive, pori, プロキオン14[投票(4)]
★4神々のふるさと・出雲神楽(2002/日)脱いだ靴、儀式そっちのけで酒を飲む人々、仮面を被る時の表情、あくびをする子ども、この映画には単に伝統行事を記録することが目的ならばノイズにしかならないはずの行事に関わる人々の様々な表情が映されている。伝統という「過去」だけではなく「今」を捉えようとしているからこそ、映画は生き生きとしているし、確かに面白くなるのだ。死ぬまでシネマ[投票(1)]
★4寄生獣(2014/日)あの心理的かつ説明的な原作からよくここまで映画として見られる脚本を作ったものだと感心する。一方で原作のドライさのおかげか山崎貴のいつもの感傷病も幾分か抑えられているのも良い傾向だ。阿藤正一の撮影も中島哲也作品の時のようなPV臭は感じさせず硬質な世界観を生み出すのに貢献している。音楽はやや大袈裟だが。 [review]ロープブレーク, 赤い戦車, けにろん[投票(3)]