コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ワイルドバンチ(1969/米)

クローズアップやスローモーションの多用、何が起こっているかわからないほど多いカット、と冒頭の強奪シーンは現代の駄目なアクション映画の演出そのものだ。この映画の罪は深い。というかこれに影響を受けた某中国人が悪いのか。
Sigenoriyuki

今でこそバイオレンスアクションの巨匠という扱いを受けているように見えるサム・ペキンパーという監督だが、彼は本当にアクション映画を撮る才能に恵まれていたのだろうか?

彼の作品の魅力は行き詰った人間達が何の解決策もないままだらだらと生き続ける様を彼なりの愛情や寛容さで描いてみせるところにあるのだろう。そう、彼の作品からはスローモーションという技法が象徴するように、だらだらと引き延ばされたような感じを受ける。それはアクション映画に求められる爽快なスピード感とは真逆のものだ。勿論、そうしただらだらを魅力的に描けるのは才能だとは思う。けれどもそれは決してアクション映画向きの才能ではない。

暴力描写に執拗にこだわったこと、そして何を勘違いしたのかジョン・ウーとかいう人がスローモーションやら血しぶきやらの影響を受けたことが原因でバイオレンス・アクションの総本山のような印象を持たれてしまっているが、それはとんでもない誤解だと私は思う。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)ジェリー[*] DSCH[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。