[コメント] ヒート(1995/米)
二つの別の映画を合成したキメラの様な映画。
娯楽映画としては最後のヤマの成否を焦点にシンプルに構成出来たし、その方が完成度が高かったと思われる。
その後、エピローグかと思われたパートが無駄に長いなあ・・・。
と思っていたら、そちらがこの映画の本体だったと。
そこに至って、前半からちりばめられていた様々な細部が、点を繋いで線を描くように呼応し始めて、闇を挟んで彼我に立つ男二人の孤独が、何かストーリーでも、絵でもない不思議なところで表現されているのに気付く。
”普通の幸せ”を羨んでいるのか、疎んでいるのか、まるで遠い街明りを眺めるようにしてたたずむ、その息遣いみたいな物。
ラストはベタに対決で〆たところを見ると、最初の構想はアクション映画だったんでしょう。 しかし、不意に浮かんだこの映画の正体を見逃さず、まるで、偶然見つけた犯行現場を保存する鑑識の様に、慎重に、定着させたのは、長年犯罪モノに関わって来たマン自身も、同じようにロスの闇から街明りを眺めていたからではないだろうか?
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