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[コメント] 007 スカイフォール(2012/英=米)

ここからジェームズ・ボンドの新しいサーガが始まるのかと感じた。
がちお

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ボンドガールはいなく、過去作へのオマージュにも満ちたシーンがありつつもイギリス国内で話が進んでいくやり方はまさに見事。

ボンドがイギリスで活躍するのはなんとも珍しく感じれた

今回のヒロインはなんとM本人、前半でMに不信感を抱かせつつもしだいに憎めない人物に描いていく手腕は見事。

ただの堅物ではなく、ボンドのことを実の子供のように不器用な愛情を向けているのだなと感じるとなんだか憎めなくなってくる。

一方の今作の悪役のハビエル・バルデムもノーカントリーのアントン・シガーが静の狂気だったのに対して今回は動の狂気と悪意を描いている。

金髪頭とどこか胡散臭い態度で笑えてくるが、同時怖くちょっと同情できるような存在になってくる。

結局、彼はボンドとは全く好対照の人物だったんだなぁ。

ボンドが母に愛された子供なら、シルヴァは母に拒絶された子供、でMはシルヴァを捨てたことにも罪悪感を覚えている。

悲しく皮肉な円環構図がここでできているわけですね。

しかし、今回のボンドは悲惨である。

何といっても終始悪役に翻弄され、本人も機転や体力で乗り越えていくものの最終的にはシルヴァに守るべきだった人を殺されてしまう。

今作で一番最もやりたいことを成し遂げれたのは皮肉にもシルヴァだったんだなぁと思うとなんともやりきれない。

でもボンドはダークナイトのバットマンとは違い、自らの宿命を最後まで認め戦い続ける。

そして新しいM、新しいQ、新しいマネーペニーを出してシリーズを一新してここから本格的に新しいジェームズ・ボンド・サーガが幕をあげるんだなとおもうと心から楽しく感じれた。

さぁ、次の相手はスペクターだ!がんばれ!ボンド!

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (7 人)ロープブレーク[*] サイモン64[*] ドデカプリオ[*] FreeSize[*] セント[*] プロキオン14[*] すやすや[*]

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