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[コメント] インセプション(2010/米)

やるじゃん、ノーラン。
がちお

俺はノーランの描いたバットマンシリーズは基本的にはあまり好きではなかった。ケレン味もなく淡々としていて原作ファンに向けた映像センスや正直言って「塩」なアクション描写がそのせいだった。

やはりバットマンに俺が求めていた物と、ノーランが描こうとしていたものは全然違っていたようだ。

で、世の中がダークナイトにいまだ浮かれていた2010年当時、劇場でこの映画を観にいったがとんでもなく楽しめた。

確かに銃撃戦のシーンはダルいし何やってるかわかったもんじゃない。

だけどこの映画のウリはそんなもんじゃない、圧倒的な映像センスの数々なのだ。

マリオン・コティヤールとエレン・ペイジの対面のシーンの寒々しい恐怖感はまるで映画版バイオハザードよりもバイオハザードだし、ビルがウニョーと生えていくシムシティ的楽しさ、そして次から次へと仲間が増えていくJRPG的面白さがある。そして利用されてちょっと同情されてもいいぐらいのキリアン・マーフィーさえもが何か成長したかのようにみんなが爽快な顔をして消えていくエンディングよ!これは90年代のJRPGのエンディングのそれではないか!ファイナルファンタジー8ではないか!

そうこの映画はゲーム脳向け映画なのだ、ゲームとともに生き、歩んできた人間こそこの映画を楽しむべきなのだ。

そしてトータル・リコール+ザ・セルというような映画と特攻野郎Aチームが混ざったような爽快さが何とも心地よい。

ノーランはリアリズムあふれる映画を撮ることを自分もそして彼のファンもいいことだと思っていたり、バットマンのようなケレン味溢れるアクションシーンがウリになるはずのヒーロー映画でもなく、こういったゲーム脳向けSF映画こそ彼に向いてたものなのである。

ノーラン、早く気づけ!お前の魅力はここにある!

というわけで、ノーランお前は今すぐもっとそのオリジナリティ溢れるゲーム脳をいかした映画を作ってくれ!

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)プロキオン14[*]

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