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[コメント] スパイダーマン2(2004/米)

サム・ライミによる原作世界におけるスパイディに対する救済措置ともいえる映画、ライミのスパイダーマン愛に溢れた名作。
がちお

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この映画、公開されて10年近くたっているが今観てもとても面白い映画になっている。

というかサム・ライミ自身がスパイダーマンオタクであるためファンが本来求めているであろうニーズを満たすために試行錯誤した結果、映画とコミックの程よいバランスがおきてできた奇跡といってもいいだろう。

というよりも、この映画の電車の中で市民たちにスパイダーマンが助けられるシーンで俺はあることを思った。

それはサム・ライミ自身がこの映画を通じて「もうそろそろスパイダーマンは報われてもいいじゃないか」とでもいいたいかのようである。

本来、マーヴェルユニバースにおけるスパイディに対する市民の反応というものは散々なものだ。

市民のために戦えば「帰れ!」と石を投げられ、助ければ「助けて!殺される!」と悲鳴をあげられる、マスコミからは叩かれみんなのためにやってるのに誰も彼に感謝しない。 挙句の果てには9.11の際には「出てくるのが遅い!」「今まで何してた!」今まで散々非難していたくせに有事の際には「早く助けに来い!」などとほざくのである。

ある意味ではバットマン以上に「孤独」という文字が付き纏っている。

この映画の電車の1シーンはそういった原作のスパイダーマンに対して幼少期からのファンであるサム・ライミ自身のねぎらいや感謝の証にもみえるのだ。

この映画のこの1シーンが存在し、多くの人を感動させたそれだけで原作のスパイダーマンは今まで戦ってきた甲斐があったのだ。

決して無駄な戦いではなかったのだ。

ライミは原作コミックに対する愛と敬意を忘れずに映画ならではでしかできないことに挑戦したのだ。

これに☆5をやらないで何にやれというのか。

(評価:★5)

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