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寒山拾得さんのお気に入りコメント(62/167)

非行少女ヨーコ(1966/日)★4 緑魔子の演じたのは、日本最後の「百姓女」だった。60年代から70年代ころまでに死滅した底辺の女。誇り高くポジティブで、いざとなれば百姓一揆も辞さない、たとえば『悲しみのベラドンナ』に奇妙なほど似た女だ。今いるのは、健康で健全で保守的な、「ラジオ体操でもしてい」(寺山修司)るファーマーでしかない。 (水那岐)[投票(1)]
エイリアン(1979/米)★5 改めて認識した特異点は、エロティックな演出の間合い。無垢な、剥き出しの生理。その生々しさが無機的な宇宙船の美術と対照して映え、密室で昇華、凝縮されていく。そして、そのグロテスクはヒト、生物そのもののグロテスクさも逆照射し、潜在的な暴力と性への嫌悪が刺激される。ただの「ホラーの金字塔」ではない。 [review] (DSCH)[投票(7)]
十月(1928/露)★4 原作は、その豊富な資料を基に、当時のロシア社会情勢と革命を細部まで書き込んでおり、一気読みは中々出来ない(時間を掛ければ、臨場感は半端ない)が、映画は枝葉末節を刈り取って、本筋のみを追っているので、実に分かり易い。 [review] (KEI)[投票(1)]
僕はイエス様が嫌い(2019/日)★5 白銀の世界に象徴された少年のピュアな思いに涙が止まらなかった。神の不在を嘆くあまたの映画にあって、この純朴な“決意”のなんと力強く切ないこと。思いが切実であればあるほど、願うことと祈ることは、どうやら違うようだ。私だっていまだに混同している。 [review] (ぽんしゅう)[投票(3)]
舟を編む(2013/日)★3 言葉に対する偏愛とコミュ障が14年という歳月を乗り越えて一大作業を成し遂げ、恋愛も成就させた。しかしその偏愛ぶりがどこから来るかの説得力に欠ける。オダギリジョー池脇千鶴黒木華に助けられている。 [review] (jollyjoker)[投票(1)]
散歩する霊柩車(1964/日)★4 霊柩車の運転手(渥美清)が言う。棺桶の蓋が開いていると“ジャキ”が入り込むと。「邪気」、それとも「邪鬼」だろうか?そうか、麻見(西村晃)と妻(春川ますみ)の「邪気」が世人たちの心の「邪鬼」を呼び起こすわけだ。よくできたブラック譚だなぁ。 [review] (ぽんしゅう)[投票(1)]
リリオム(1934/仏)★4 フリッツ・ラングが渡米前にフランスで撮った、見事なオールセット映画。第一景は遊園地の回転木馬。その呼び子の名前がリリオムでシャルル・ボワイエが演じている。 [review] (ゑぎ)[投票(1)]
リリオム(1934/仏)★4 画面はともかく、元々の原作がさほど長くないせいもあってか、イマイチテンポが良くない気もする。が、終盤に差し掛かると一気に目が覚めます。こんなユーモアに富んだラング作品も珍しいのでは。 [review] (くたー)[投票(2)]
赤い鳥逃げた?(1973/日)★3 モラトリアムとアウトローな末路を誂えた下町食堂の定食の趣だが、いいかげん定職につかんと俺みたくなっちまうぞーと芳雄に言わせて単なるポーズが露見。温泉宿のシロクロ撮影会の最果てが見たかった。紛い物の連鎖の中かおりのおっぱいだけが真実。 (けにろん)[投票(2)]
幽霊と未亡人(1947/米)★5 打ち寄せる白波、馬車や自動車、ガス灯やろうそく、マンキーウィッツの一癖ある見事な手腕。ジーン・ティアニーの芯ある美しさ、レックス・ハリソンのもったいぶった笑顔、ジョージ・サンダースのいかがわしさ、若きナタリー・ウッド。傑作ですね。 (動物園のクマ)[投票(2)]
幽霊と未亡人(1947/米)★5 「現実」にズカズカと土足で介入する類のモノではなく、あくまで「現実」の傍らにありそっと寄り添うモノ。いつまでも忘れられないファンタジーというのは、きっとそのような優しい姿をしているモノだと思う。 [review] (くたー)[投票(7)]
幽霊と未亡人(1947/米)★5 ジョセフ・L・マンキウィッツ畢竟の傑作。。物語の大部分は海辺の斜面に立つ屋敷が舞台で、まずこの屋敷のロケーションが実に映画的なのだ。特に室内シーンの窓を背にしたカットで悉く窓の向こうの打ち寄せる白波が示される画作りなんて惚れ惚れする。また、この映画は「肖像画の映画」として銘記すべきだ。 [review] (ゑぎ)[投票(5)]
悪魔の美しさ(1949/仏=伊)★3 所詮は魔法によって得られた若さってのがどっかで引っ掛かる。主人公が自力で獲得したわけでない幸福は間抜けな悪魔のおかげで永続する。それでもミシェル・シモンの愛らしい因業親爺演技の素晴らしさは満喫できるし、終盤の畳み掛けはさすがに闊達だ。 (けにろん)[投票(1)]
悪魔の美しさ(1949/仏=伊)★4 規定の物語に強烈な皮肉を込める。これぞエスプリ。 [review] (甘崎庵)[投票(2)]
悪魔の美しさ(1949/仏=伊)★5 DJ悪魔メフィストの持ってきた皿は社会であり人の心。それから創り出される音は悲鳴?それとも歓喜? [review] (ジャイアント白田)[投票(1)]
エリン・ブロコビッチ(2000/米)★4 まずはタイトルバックの途中で目を見張ること必至。その後も名編集者アン・V・コーツ(『アラビアのロレンス』の編集者ですぞ)の卓越した編集技術に唸らせられる。 [review] (ゑぎ)[投票(3)]
エリン・ブロコビッチ(2000/米)★4 この生き方、かっこいいじゃねえか。主人公を支える男もよし。 (ロープブレーク)[投票(1)]
エリン・ブロコビッチ(2000/米)★5 細かいところでリアルな演出が、成功している映画。 [review] (シーチキン)[投票(5)]
エリン・ブロコビッチ(2000/米)★4 事件の経緯自体よりも、ある事件を通じて一人の人間の自己実現の過程に徹底して重点を置いて描いている点が成功。良いタイトルだ。 [review] (ろびんますく)[投票(19)]
私の20世紀(1989/独=キューバ=ハンガリー)★4 双子の姉妹は、他者の富を不正に奪取する詐欺師と、国家の体制を暴力で転覆させる革命家になった。反順法、反権力という生き方。20世紀(今も?)に至るまで「制度」は男によって作られてきた。だから華麗かつ執拗に否定することこそが“女の正しさ”の証しなのだ。 [review] (ぽんしゅう)[投票(1)]