コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ひまわり(1970/伊)

イタリアで大流行した艶笑譚映画がベースにあるのが本作の絶妙な処。後半になってもソフィア・ローレンはマネキン抱いているし、子供はすぐできるし。草食系には伝わり難い反戦メッセージ。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







最も求心力を覚えたのはイタリア軍敗走の件。馬鹿デカい赤旗立てるだけの戦闘シーンという外連味が意外にヒットしており、やたら寒そうだし、動けなくなるマストロヤンニの演技もさすがでグッときた。全員自害しちゃう日本軍映画では基本あり得ないシーンであり、すぐ諦める草食の私などには、その生への希求はとても眩しい。これが別離の悲劇と巧みに連関されている。

ひまわり畑の所以は言葉を失う(第二次大戦での死者数トップはソ連だ)。

本作、カラーの着色がとてもいい。燻し銀で重厚、見事に悲劇を彩っている。本作で真っ先に思い出されるのは(音楽を別にすれば)、ひまわりの重たそうな行列と、ラストの客車の沈んだ光沢ではないだろうか。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。