まるで重量感のないレーシングカーをゴロゴロひっくり返す蕩尽振りが素晴らしく、後の重量感あるレーシングカー映画とは一線を画した世界。序盤の田舎のレースがカーブ切る度に砂塵もうもうなのが愉しいし（競馬場が流用されたということなのだろう）、コマ落としのカット挿入など丁寧なものだ。

話は終盤、仲違いしていたはずのギャグニーとエリック・リンデンの兄弟が、突然に二人で仲良くレースを始めるので混乱させられた（なお、仲直りレースのレーシングカーが二人乗りというのはユーモラスでいい）。本作、ＩＭＤｂではRuntime: 85 min | 70 min (TCM Print) となっており、私の観た70分版も正規作品ではあるようだが明らかにこの二人の和解の件が脱落している。ここが名シーンだった可能性がある訳で、点数はつけないでおきたい。、

メロドラマは定型だが俳優がいいので観ていられる。ラストの怪我してなお救急車にレースをけしかけるギャグニーの件はホークスらしい陽気さでとてもいい。