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[コメント] 救命艇(1944/米)

ドイツからの闖入者ウィリアム・ベンディックスに対する劇中の応対の微妙さに、対独感情の微妙さが被さってとても生々しい。
寒山

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







基礎知識なしに男ばっか出てくる映画なんだろうと観たら、いきなりデートリッヒみたいな粋な嫂さんが横座りしているので驚いた。タルーラ・バンクヘッドという女優、舞台で有名な人らしいが、デートリッヒ似というのが効いている。もちろん、ドイツ兵との確執の主題において。

ドイツ兵の扱いが生易しいと公開当時叩かれたと映画館のチラシにあった。開戦中の作品(43年制作)であり、英軍は劣勢な時期もあったはず。脚本世界で話は完結しようがない訳で、リアルタイムの現実とのコール・アンド・レスポンスは実に複雑微妙。こういう作劇は好み。

話はベンディックスが徐々にアメリカ人を飼いならして行く過程が描かれ続けるが、本性剥き出しにする転換点が唐突で沈着なキャラ造形がなぜか放り出された印象、そんなことしなくてもドイツ基地にそのまま辿り着きゃいいじゃんと思う(どうせ連合国の砲撃で助かるんだろうし)。

映画はスクリーン・プロセスの背景が殆ど気にならないのが美点。30年代の映画ならこうはいかない処で、スタッフの優秀さだろう。

(評価:★3)

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