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[コメント] 嗚呼!!花の応援団(1976/日)

校旗のシンボリズムに雁字搦めの善人たち。収束は田中陽造の傑作だろう。原作こんなに面白いのか。読んでみよ。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







富山と北口が校旗に煙草の穴を開け弱っていると、青田赤道がキセルを加えたまま横で昼寝を始める。ときどきあるパターンだけど、巧いのだ。ゆっくり間を取って、まず最初に観客に、青田のせいにすればいいじゃないかと考えさせたうえでふたりは実行に移る。だからその後、青田の善人振りが判ってくると、観客はふたりより先に罪悪感の虜にさせられるのだ。

大学があればスポーツ部はあるし、すると応援団がいる。他校にもあるし。応援団をつくるなら、大学に忠誠を誓わせなけりゃいけないし、校旗を三種の神器みたく仰がせねばならない。この構造は、日本の大学が大学である限りなくならないのではないのだろうか。ギャグで粉飾されているが、気味悪い世界であった。

水原ゆう紀はすでにして凄い。件のシンボリズムは一般世間では何の役にも立たず、役に立たないからこそ美しいという逆説。いいラストだった。

(評価:★4)

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