[コメント] 男はつらいよ 知床慕情(1987/日)
恋の伝道師寅の老年版、類型的で中庸の出来。知床観光名所案内がやたら多いが、そこで森繁の歌を流されると文句云う気にもなれず。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
竹下景子の行動が判り難く、余り整理できているように思われない。最後に竹下は東京で就職が決まったと寅屋に現れるが、地元であんなに歓迎されているのに、また上京したのはなぜなのか。今でも思いを寄せる赤塚真人から逃げちゃったのか。寅が好きで追いかけてきたのか。どうなんだ、という収束の中途半端で印象薄い。本作は冒頭の夢オチがないが、それでもまだ尺が足りていない。
前半の寅後継ぎ不適格の件は面白い。三船敏郎の頑固親父を諭しまくる寅、という関係もいい。本作は老三船が称賛されたほとんど唯一の作品。本シリーズの、派手な俳優を地味に使うというキャスティングの成功だろう。しかし、農業の困難を語りかけた三船の持論は尻切れトンボになり、知床はやはり酪農より観光地として存続するのだなあという感想が残るのは、ポイントを外している。医療について最後まで真面目に議論している『サラダ記念日』などと比べると印象薄い。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。