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[コメント] ラ・マルセイエーズ(1938/仏)

「かつて民衆にとって自由は身分違いの恋人だったが、今や民衆の腕の中だ。まだ妻ではないが、でも知り合えたんだ」。こういう「国民の創生」を持つ国を心底羨ましいと思う。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







仏労働総同盟と一般の募金での製作とのこと。序中盤はスケール感がないが、ジャコバン・クラブでの女の訴え辺りから盛り上がり始め、マルセイユ義勇軍のパリ入場は撮影美術とも豪華になり盛り上がる。

細部はいろいろ面白い。貴族はプロシアを頼る。側近が歌うルイ16世の歌が笑える。マリー・アントワネットは蛇みたいな造形が施されている。国王が権威失墜し議会を頼った抜け殻のルイ16世、義勇軍対近衛兵、「フランス万歳」と抱き合う一瞬があったが近衛兵は最後の抵抗に出て貴族は処刑される。

フランス国家の成立秘話かと思っていたがそうでもなく断片的。♪汚れた血が田畑を という歌詞は凄いものがあるなあと聴くたびに思うのだが、この秘密が解明されるようなことはなかった。少し期待したんだけど。

序盤、畑の鳩捕まえる件(告訴され、裁判から脱走する)はブレッソン『少女ムシェット』にそっくりだが、引用関係があるのだろうか、フランスではよくある出来事なのか。

(評価:★4)

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