コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 白と黒(1963/日)

しくじったときの橋本忍らしいトンデモ映画で、井川比佐志の好演の無駄使い。二転三転する度に物語は軽薄になり、最後は痔の手術は痛いのだろうというどうでもいい感想しか出てこなかった。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







小林桂樹の井川への取り調べは一方的なものだった訳だが、小林の補充捜査がこの反省のうえに行われたというニュアンスが全然ないのは異常な気がする。死刑廃止論者の千田是也の弁護士が「犯人を絞め殺したい」と口走るのは死刑廃止論者を舐めているし、大宅壮一がテレビで神託述べるのは阿呆らしい。

そして、井川が三転して真犯人だったというドンデン返しの結末はついにバカバカしい。もう俺も受刑に耐えられないから実家の裏山の墓に入りたいという井川のシンミリした自供を延々長回しで追っていたのはフェイクだったのか。阿呆らしくなる。

撮影美術も特に見処がなく、小林と仲代の安宿での談判が、窓の外の列車音が上手いぐらいのことだった。当時の映画によくあることだが、小林が釧路左遷を残念がっている描写を釧路の人は甘受したのだろうか疑問。さらに仲代の自殺記事のラストは呆れかえった軽薄で、簡単に人殺し過ぎである。女性に見処がないのも痛い。鑑賞フィルムはずいぶん飛んだが、個人的にはどうでもいい。

(評価:★2)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。