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[コメント] すかんぴんウォーク(1983/日)

「モニカ」なる主題曲は佐野元春「アンジェリーナ」のパクリだろう。一方映画は『不良少女モニカ』とは何の関係もない。
寒山拾得

冒頭、吉川晃司が海からやって来るのと、就職活動が類似すると云えば云えるが。

前半は鈴木則文系のベタなギャグ映画。80年代でまだこれかよという気もするが、わりかし面白い。冒頭から小松政夫蟹江敬三高瀬春奈の三連続投入には度胆を抜かれるし(蟹にしゃぶりつく蟹江というベタさが物凄い)、吉川がポルノ映画オファーに迷う女優鹿取容子との初デートに出向いたらドタキャンで、代わりにやって来たのがやたらヨロメく白川和子、というギャグは絶品だった。

後半は打って変わってファン以外禁制のアイドル映画地獄。山田辰夫の漫談は現代を予見している具合だが別に笑える訳でもなくアイドルの範疇に留まる。しかし全編アイドル地獄な次作『ユー・ガッタ・チャンス』よりは前半が愉しいのでずっといい。

「日本のメジャーで映画撮れる監督って十人だけなんですよ、十脚の椅子に座り続けるのが重要なんですよ」と、大学映研で招いた講演会で夢のない話をアツく語ってくれた大森監督の、実に吹っ切れたお仕事モード作品。ほんの一部で8ミリ回して大林系のショットを挿入しているのが泣かせる。失ったものも多かったのだろうと私なんか思っちゃうのだけど。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ぽんしゅう けにろん[*]

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