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[コメント] 蛍の光(1938/日)

借金のために娘の高杉早苗をカリエスで寝た切りの男に嫁がせようとするアクマのような父親坂本武の顚末に面白味がある。あとはフツーのメロドラマで桑野通子鑑賞用。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







字幕「売られて行くのだ」で、恩師の桑野通子の実家に逃げた高杉を追ってきた坂本、桑野と対決、と思いきや坂本の告白。「私とて親、娘に幸せになってほしい。かといって先方に義理が立たず、娘が逃げてくれて安堵しています」。

ああなるほどと思わされる。これは教育的な物語で、子供が親からの自由を考えるときに大いに参考になるだろう。親のいうこと真面目に聞いて損したと思っている私など、そう実感させられる。もうひとつ思うのは、こういうとき父親はそっと母親に、娘を逃がすように告げるものではないのだろうか。そういう機転が坂本にないのは子供にとって不幸だと思った。

あとは真面目一方な桑野通子の先生を愛でる用フィルム。高峰三枝子自殺未遂の件はエンプティショットの連発で、ビルや鉄道や新聞売りの鈴が並べられる。この手法はオヅで有名だが、この時代の存外一般的なショットだったのかも知れない。夏川大二郎を巡る三角関係と高峰の死亡という展開は通俗に流れた。

蛍の光は明治初年に輸入されており、特段トピカルな要素はない。桑野の実家は寒川村の設定。

(評価:★3)

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