コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 主戦場(2018/米)

本作のロングランは、偏向著しいテレビが与えてくれなくなった情報に庶民がどれほど飢えているかの端的な証明であり、本邦映像史に残る事件になるだろう。パンフは発言録付でお買い得。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







論破され自己矛盾をさらけだす杉田水脈、奇怪な信念を述べて自爆する藤木俊一藤岡信勝、天然でアホと判るトニー・マラーノ加瀬英明

冒頭から修正主義者を叩き斬る旨宣誓、実行される訳で、本邦を蝕む下らない両論併記(フェイクニュースに両論などないのは当然)など一顧だにしないスタンスが気持ちよろしい。これほどの「豪華キャスト」をどうやって集めたのかが謎であるが、これを見事に生かしてリアルなブラックユーモア映画に仕立てている。

義務あっての権利という日本会議の主張は国民から政府を批判する権利を奪うものだ、という批判が印象深い。日本にも慰安婦像を、という渡辺美奈氏の主張は素晴らしい。こういう有為の方はサポートしたいと思った。過去の韓国での男尊女卑文化が併せて問われる件はとても興味深く、問題提起が重層的にならざるを得ない困難を繙いている。ラストのブラックな警告も鮮やかに決まっている。

しかしあれだ、キネ旬は年末投票で本作を評価できない訳だ。海外文化映画部門の創設が必須と思われる。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (4 人)DSCH がちお[*] クワドラAS[*] もがみがわ[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。