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[コメント] 我が道を往く(1944/米)

不良少年の片方が口答えしようとすると片方がビンタを連発する。このギャグだけレオ・マッケリーらしく面白かった。あとは皮肉の蔓延が辛気臭い老人排斥物語。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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頑迷なバリー・フィッツジェラルドとともに潰れそうな教区に、主教の息のかかったビング・クロスビーが派遣され、偶然が呼び寄せたコネで対応する。別に寄付呼びかけに係るジレンマが主題でもないのに結局寄付で救われてしまう。『ブルース・ブラザーズ』のような歌による教会救済話かと思いきや違う。火事も意味不明。

ジーン・ロックハートは息子が無断で結婚し軍隊に入るのをなぜか涙目で見送る。この親を小馬鹿にしたとしか思えないサイドストーリーは当然本筋に重ね合わされるのだろう。ビング・クロスビーの自由奔放によって教会は救われる。頑迷な老人は後ろに下がっていなさい、という訳だ。

しかしこれに相応しい物語が展開されたとは到底思えない。バリー・フィッツジェラルドは旧世代として画面に訴えるものを何も提示できず、ただ狼狽えて行き先がないのに逃亡する程度の老人であり、何もジレンマは発生せず、ただ彼が虐められて可哀想だという感想しか呼び起こさない。後半徐々に頑固が治るのだが、それは彼の気の毒な生存本能に見える。

歌は聖歌の類が面白いのに対して主題歌は詰まらない。ビング・クロスビーのジーン・ヘザーへの保守的な歌唱指導も含め、新時代を謳うにしては平凡に過ぎる。

(評価:★2)

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