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[コメント] 人間に賭けるな(1964/日)

渡辺美佐子の水際立った姉御振りを堪能する一篇。内腿の刺青に眩暈を覚える。
寒山

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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60年代らしい引きの多いスタイリッシュな構図連発が愉しい。胡散臭い競輪場のロケが効いている。渡辺と藤村有弘との同衾でキリスト教系列の彫刻がウジャウジャ出てくる辺りやり過ぎの感がある(藤村はクリスチャンの設定だが渡辺には関係ない)一方、渡辺と川地民夫の別れにおける雨と番傘は決まっている。多分パロディのつもりなんだろうけど正統、日活の血筋は争えないという気がする。

話は射幸癖に愛欲を被せての中毒症倍満狙いかと思うきやそうでもなく、競輪に対してやけに理性的なのはクールな造形を志向したのだろうが、何か中途半端。せっかくの設定、やはり誰かひとりぐらい射幸癖に身を持ち崩す者がいた方が話が派手で良かったんじゃないだろうか。

川地民夫が木偶の棒なのはオンナの妄想の相手として正しいにしても、藤村有弘はいかにも役不足、ヤクザ世界に突入する人物には見えない。倍賞千恵子似の意地悪そうな結城美栄子は役に合っていていい。

端々不満もありますが、名優渡辺を愛でる映画としてはこれ以上ない出来。主演が少ない彼女、出ずっぱりなだけでも有りがたいが、抑揚の効いた造形で全編飽きさせないのがさすが。粋なもんですなあ。『極妻』なんか、彼女主演だったら随分良くなっただろうにと思う。

(評価:★4)

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