[コメント] リトル・フォレスト 夏・秋(2014/日)
究極のロハスは普通の農業に至る。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ロハスの料理教室に物語を足したようなものだが、この按配がとてもいい。料理教室自体に試行錯誤の物語があるのが優れている。おしゃれな農業映画は大抵は鼻白むものだが、本作がこれを軽くクリアしているのは、商業ルートなど関係なしに主に自活のために真面目に農業しているからだろう。
村へ戻った三浦貴大が、「モノを右から左に動かしているだけの」町の連中は信用できない、信頼できるのは自分の手で仕事している人だ、みたいなことを述べる。ハイデガーのテクネー論みたいなもので、これが突き進むと毛沢東の帰農施策になるという禍々しさも覚えない訳じゃない。
自然へ還れ型の思想は数百年の積み重ねがあり、極右や極左の禍々しい歴史も踏んできている。何か教訓を語ろうとすると、このような揚げ足取りができちゃったりするのであるものだなあというのは、考えさせられる処がある。上記箇所を除いて本作はそのような教訓臭はない。ただ橋本愛がひとりで苦戦している。そこに好感を持った。映像はテレビ調だが丁寧に撮っていて好感が持てる(どこまでCGか気になるが)。俳優もいい面子が揃っている。
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