コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 縄張はもらった(1968/日)

農地の工場用地買収について丁寧に記録した60年代後半らしい秀作。の赤紫の腹巻が素敵。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







工場地帯の地上げ、加担する新興ヤクザと反対派に味方する地元ヤクザの対立、という構図が面白い。どこまで本当か判らないが、ありそうな話だ。駅前で屯して太田雅子に悪戯するチンピラ、なんて昔はよくある光景だっただろう。土地成金への接待でSMに賭博とはすごい戯画。問題起こして企業に切られる高品格と会社起こす小林旭

太田はここでも抵抗のミューズで、「お百姓が土地を失ったら終わり。土地は何百年も使えるんですもの」との語りに納得させられる。小林は恩情から土地売却により農地を失った者を会社に迎え入れるのだが、ホトボリが覚めたら馘首の指示が出て小林を怒らせるのだ。会社の雇用なんてそんなものである。

AB対立するヤクザの壊滅のためにCがAの事務所を襲い、Bの事務所に逃げ込む、という展開はなるほどと思わされる。私的ベストショットは望遠で撮られた小林へのドスでの背後からの攻撃。ラストのドス突き四連発も素晴らしい。なお、縄張は<シマ>と呼ばせている。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。