[コメント] 或る殺人(1959/米)
本作の価値は「パンティ」を法廷で科学的に扱ったことだろう。本邦でもチャタレー裁判は57年結審。そういう時代だった。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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上流階級の下卑た笑いを漏らす席へ「なぜパンティを笑えるのか」と仰角で訴える裁判長。本作は放送禁止用語と戦っている。映画は風俗紊乱を受け持ってきたが、ここでは風俗を科学的に扱う必要を訴えている。
裁判劇としてはイマイチで、リー・レミックとベン・ギャザラの怪しい夫婦は(ラストでもち直すが)裁判の終盤霞んでしまった。レミックはもっと破れたパンティと衝突すべきだっただろう。ギャザラの精神分析結果「解離反応」はもうひとつ穿っていないし、キャスリン・グラントが被害者の愛人でなく娘という処もどうにも外している。
私的ベストショットは冒頭、ジェームズ・スチュワートの乗る車にキャメラの乗った車両が併走するショットで浮遊感があって素晴らしい。これは中盤アーサー・オコンネルがひとり調査に行くショットでも繰り返されている。犬にビール呑ませるとすぐ寝る冒頭の件が素晴らしく、裁判中もライト咥えていたが、ここをもうひと捻りしてほしかった。
エリントンがスチュワートと連弾というのがいい。ミニコンボでバップを奏でている。
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