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[コメント] フローズン・リバー(2008/米)

トレーラーハウス繋がりでダルデンヌ兄弟が想起され、凝った画はなく淡々とした緊張感の持続に共通する世界がある。世界の国境にはトレーラーハウスが満ちているのか。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







凍った河のサスペンスはいいものだが、、コーエン兄弟なら氷の割れ目に落ちる自動車、ぐらいの見せ場を絶対設けただろう。作劇上はそんなことはどうでもいい、雪に埋もれた廃車をワンカット見せれば十分という判断を本作は下している。予算の関係かもしれないが、必要以上に話を映像に引っ張っていないのは好感が持てた。

モホーク族と違法移民、生活のための手助け。いったい、アメリカがどれほどいいのだろう、カナダでも難民にはいい場所ではないのか、という疑問も浮かぶ処で、そこの事情は簡単にでも教えてほしかった。

パキスタンの赤ん坊の件は残酷で、通俗でいいからぜひとも無事に解決させてほしいという希望が生じる処であり、やややり過ぎかも知れない。一方、母親の改心はありがちな物語だがいいものであり、むしろ物語形式の活用法としてこれまでの通俗は更新されたと思わされる。「業者に負けないで」という伝言がいい。

収束は順列組合せのように外国人同士の共生が始まる。これがとてもいい。モホーク人を演じたミスティ・アップハムは若くして鬼籍に入った女優さんとのこと。

(評価:★4)

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