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[コメント] スパイ(1967/日)

アメリカ傀儡である韓国右翼と日本右翼の、在日コリアン組織へのスパイを語る。「太平洋戦争」を聞き咎めて右翼大物の三島雅夫曰く「大東亜戦争と云いたまえ」。剣呑剣呑。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







劇中、右翼はアジア青年国士会とか云われる。東野英治郎が関係する在日コリアン組織は名前は出ないが朝鮮総連に違いない。基本、朝鮮総連は統一朝鮮を支援するのが理念だが上層部と北朝鮮は微妙な関係にある。こういう微妙な処は『キューポラのある街』から『パッチギ』まで微妙に語り続けられている処。本作もこれを踏襲しつつ北朝鮮行きの客船が寄る辺なく見送られる。63デモでソウル大を退学になったという山本学も理念は統一朝鮮だ。「北側が被害者というお話」ではもちろんない。彼等は北朝鮮へ行ったこともないのである。

物語は日韓会談反対のビラを撒いて朝鮮総連のせいにするという陰謀を語る。CICとキャノン大佐(GHQの組織)に雇われたと云われる中谷一郎のような韓国右翼もいたのだろう。「夜を駆けて」で有名になる大村収容所の本物が出てくるが、在日コリアンが不当留置されているという切り口は出てこない。日本内での拉致、ということになれば今や当然、北朝鮮の拉致事件と、韓国右翼の金大中拉致が想起される。

本作の欠点は常連バーと幼馴染でもって男女の三角関係が余りにも簡単に出来上がることだろう。ヤマサツはこの辺りは毎度甘いし気にもしていない風だ。「妊娠した女は嫌いだ」「人でなし」みたいなドロドロはいつもながら最低に盛り上がる。自動車からの飛び降り自殺(山本学の偽物)と生谷のマンションからの飛び降り自殺の人形使いが鮮やか。音楽(フリージャズみたいだ)による拷問が恐ろしい。三矢研究が時事問題として冒頭と収束に差し込まれている。

(評価:★4)

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