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[コメント] 河口(1961/日)

山村聰の変な造形が全ての映画で、その他はありがちな妾ものだけど、画商なんて金がかかる商売は色々あるんだろうというリアルは感じられた。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







絵画ヲタクの山村聰の造形が心に残るものがある。結局、彼にとって岡田茉莉子は金づるに過ぎないのだと徐々に判明するのだが、この展開の意外さが面白い。『山の音』みたいな履歴を持つ山村が男女関係なしってことはあるまいという観客の先入観を巧みに利用した具合。いっそのこと山村が金目当てに岡田の恋愛をけしかける、みたいな派手な展開もアリだと思うが、そこまで踏み込まず、いやに抑制的。

ボタンダウンの襟留めずに変な物腰で歩き(足が悪いという設定だったか)、小学校の優等生が同級生にするように岡田を諭し続ける造形が、何というか、とても変だけど、ある種真っ当な職業人のようにも思えてくる。田村高廣が山村を褒め続けるのも絶妙。まあ所詮は絵画ヲタクなのだけど、世の中こういう人の「正論」で回っている部分って確かにあると思わされる。

(評価:★4)

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