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[コメント] 女囚さそり 第41雑居房(1972/日)

パンストかぶった小松方正のエロ親爺振りは殆ど神々しい。なんという死に様だろう。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







おばはんの掃溜め状態を集中的に描く趣旨なんだろう。姥捨てのお祖母さんや八並映子の「ああよかちん」音頭などで描かれ続けるのは情けない「毒婦」の生態。しかしパゾリーニ調の意匠と浪花節の混声合唱が型に嵌ってしまって強度に欠ける。段取り通り敗退に至るなあぐらいの感想しか出てこない。

渡辺文雄の転げ落ちた義眼に映える冷笑、のような梶芽衣子周辺のドライな描写は相変わらず冴えているんだけど。「男を狂わせる」と繰り返される梶の唄は、男に狂わされた女たちを描くには半端に聴こえる。後半のバスジャックは日中戦争時の姑娘強姦の記憶に接続されるのが興味深いが、ちと無理筋。41雑居房って何処だったんだろう。

(評価:★3)

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