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寒山拾得さんのコメント: 投票数順

★4朝やけの詩(1973/日)「戦後開拓」について蒙を啓かれ驚愕。しかも満蒙開拓とダブルパンチとは。ああ国策なんてこんなもの。無知を嗤うのは後知恵。いまやガソリン車産業だっておんなじ運命だ。 [review][投票]
★3日本妖怪伝 サトリ(1973/日)人の心を読んで喋り、人は考えることができなくなり、人を追い詰め食べてしまうサトリ。秀逸な設定は茫漠とした終点に向かい、OPタイトルバックの線路の空撮と円環を描く印象。 [review][投票]
★4人間革命(1973/日)大学の下宿の大家の小母さんが学会員で、見延山に参ったら脚が立てるようになったと語っていたのを思い出した。本作、その類の奇跡噺かと思いきや存外理性的な説教連投で勉強になった。入信しようとは思わんが。 [review][投票]
★3昼下りの情事 古都曼陀羅(1973/日)すでに縄もの、エロ密教好みでほとんどヒンズー教、曼荼羅と云えば余りにも曼荼羅。いろんな神社仏閣でプレイしまくる山科ゆり風間杜夫はこのとき即身成仏しているのだろう。常識では決して成仏できないだろうと思わされた。 [review][投票]
★2東京=ソウル=バンコック 実録麻薬地帯(1973/日)いかにも生臭い、菅原通済の三悪追放協会の協力による覚醒剤追放映画。千葉ちゃんが韓国代表金昌淑やタイ代表チャイヤ・スリヤンと地味なアクション合戦を繰り広げ、グライダー地上襲撃の件はヒッチコックに大敗。 [review][投票]
★3多羅尾伴内(1978/日)本家の千恵蔵作品も大した推理劇ではなく面白いのは千恵蔵の親しみやすいキャラだったものだ。本作もこれを踏襲。七変化はファンでなくても愉しめる。筋とは関係なく、キャバレーで白いギター弾いて唄う「昔の名前で出ています」が素晴らしい。 [review][投票]
★3姑娘と五人の突撃兵(1958/日)中国戦線、姑娘味方に引き込んでの『恐怖の報酬』。見処は終盤の混乱で、あっと驚く前衛劇になるが、新東宝末期だから編集する気がないだけかも知れず。 [review][投票]
★3第三の死角(1959/日)森雅之の気障な造形は面白くない。役柄にハマり過ぎで、まるで自身のパロディを演じているように見える。長門裕之葉山良二の確執は、ゴミとゴミにたかる蠅の対決という木村升田論争の様相。 [review][投票]
★4けものの眠り(1960/日)まだ清順らしさは主張されず、典型的な日活活劇として上出来の佳作。序中盤の清張ばりに謎をばら撒く手際が優れており、芦田伸介の陰影が心に残る。 [review][投票]
★3笛吹川(1960/日)傑作『楢山節考』に続く深沢七郎作品。優れた厭戦映画の資格十分なのに不思議と淡泊な演出で不満。パートカラーも達観するかのようで逆効果だった(達観しているのか、それとも)。俳優単位では優れており、『陸軍』の変奏を奏でる凸ちゃんもすごいが武田信玄を呪う荒木道子さんもすごい。 [review][投票]
★5ある機関助士(1963/日)機関車映画史上屈指、興奮必至のスペクタル。機関助士はいろんな課題を抱えながら、全てが西日を浴びた車両基地を出て、宵闇に向けてC62を爆走させる。野蛮かつ正夢のように美しい撮影編集。土本初期の傑作。★6級。 [review][投票]
★4出撃(1964/日)東映のようにケツまくる快優もおらず東宝のように右翼の地金も出さず、ただ日活の真面目な面々で真面目な滝沢演出の下、真面目に作られた特攻映画。芦川いづみは再び特攻兵を追いかけ、収束に突然よくなる。 [review][投票]
★3三人の博徒(1967/日)昭和初期のマカオの描写に興味があったのだが穿ったものはなくほとんどがセット。ロケも大急ぎで撮ったのがよく判るが、鶴田が着流しで街頭歩むシュールな姿は見処。砲台のオープニングには何が篭められたのだろうか、 [review][投票]
★4日本暗殺秘録(1969/日)東宝が『激動の昭和史』、日活が『戦争と平和』の時代にこれブツける東映の如何わしさよ。『広島死闘篇』と並ぶ千葉真一の代表作に違いない。「革命はオレたちでやるんじゃないんだ、オレがやるんだ」。 [review][投票]
★3弁天小僧(1958/日)有名な歌舞伎狂言「白浪五人男」、歌舞伎は無知なのでああ粋とはこういうものなのかと勉強になった。私らの世代が松田優作に憧れたのと同じなんだろう。短尺で詰め込み気味なのが残念。 [review][投票]
★4不道徳教育講座(1959/日)ミシマは初期の自作の映画化作品を嫌っていたが、本作を観ればそれはそうだろうと思わされる。なにせ戦前右翼の道徳教育復活、教育勅語復活をパロディにしているのだから。これは確信犯と見たい。 [review][投票]
★4われらの時代(1959/日)あの魅力的な文体を捨象して映画で比べると、大江健三郎も太陽族に近い処から始めたのだと判って面白い。こんな反米映画はすっかり撮られなくなったものだ。 [review][投票]
★3女子大学生 私は勝負する(1959/日)格好いい撮影美術でヌーヴェルヴァーグと同時代、乱痴気パーティが『甘い生活』(60)に先行していてすごいのだけど、作劇は女性の自立をどう扱っていいのか手探り状態。戦後世代の生態を年長者が無理矢理動機付けしようともがいているような作品。 [review][投票]
★4なつかしの顔(1941/日)そのフィルムに夫は映っているのかを巡る不確かな現実。ナルセ当然のリアリズムのなかに不思議な幻覚描写が突然挟まれるのが大いなる見処。 [review][投票]
★1米英撃滅の歌(1945/日)轟夕起子のジャズ批判「いけないわ、貴女がジャズを唄うなんて」で有名。音楽学校出の三人娘はジャズとアメリカをストレートに批判し続け、上海の中国人とアメリカ人への憾み節が延々と述べられる。敵の見えない精神論を語る本邦戦中映画の多いなか、堂々のプロパガンダ映画。 [review][投票]