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寒山拾得さんのコメント: 投票数順

★2春を待つ人々(1959/日)パージ解除の佐分利信の国政選挙噺。沢松勉の戦中右翼節が期待されたが、戦後巧くやった奴は嫌いらしくフツー。その他はオールスター映画らしい摘まみ食い連発、テーブルひっくり返す田村高廣高橋貞二のメロドラマも唐突で失笑もの。[投票]
★4結婚式と赤ちゃん(1958/米)「結婚式と出産」専門のカメラマンがドキュ映画を志望する話。カサヴェデスが影響を受けたらしいが、上手く行かない男女を描いて正にカサヴェデス好み。基本コメディのなかコメディ的人生を疎ましくも憐れむ視線が累積される。 [review][投票]
★3恋人たちとキャンディ(1956/米)再婚に向けたお付き合いの男女と、女の娘との三角関係。断片は愉しいが全体には印象薄い。 [review][投票]
★5小さな逃亡者(1953/米)大人は判ってくれない』や『赤い風船』の偉大なる先行作らしいけど、単体で観ても気楽に愉しい。キートンばりのコニーアイランド、積み重ねられる小さなユーモアが粒ぞろいに面白い。子供は面白い。 [review][投票]
★3満州帝国崩壊 ソビエト進軍1945(1982/露)秋のマラソン』戦場版みたいな詠嘆ばかりの群像劇。連作の第二作のせいか各断片の彫りは浅いが、生き残るために闘うモチベーションがハラキリ思想と対照されている点で一本筋が通っている。内モンゴルの描写が面白く、戦闘シーンはソ連映画らしく闇雲に盛り上がる。 [review][投票]
★1新雪(1942/日)将来の欠乏に耐える肉体を作るのダと国民学校の新教育方針「皇国民の錬成」を説く坊ちゃん風教師水島道太郎山口勇をチャーチルと呼んでぶん殴る。五所も藤沢恒夫もこんな好戦作を物しているのだった。女は黙って待っている月丘夢路の馬鹿馬鹿しいロマンス付。[投票]
★2命の港(1944/日)港湾荷役のワーカホリックが何が愉しいのかよく判らないまま愉し気に延々描かれる『一番美しく』系列の宣伝映画。腹痛で休みたいという仲仕をぶん殴ったりする班長長谷川一夫が痒いほど善人に描かれ、「夜を徹して死闘」などという字幕が踊る。[投票]
★2私の鶯(1944/日=中国)ハルピンに大量避難した白系ロシア人という題材は興味深いのだが、難民受容の精神を本邦の昨今の有様と比較してみよう、といった知的好奇心をまるで喚起させてくれない凡作。満州プロパガンダと産みの親育ての親の物語類型しか残らず、島津らしい繊細さの欠片もない。製作岩崎昶という冗談が笑える。[投票]
★3宵闇せまれば(1969/日)「三無気質」が流行語になったのは67年らしく、このチキンレースの背景なんだろう。観ているうちはハラハラさせられ、人間の耐久力はこれで正確なのか実に気になるのだが、何で女子大生と「君恋し」なのかはさらに難解であった。 [review][投票]
★5ワールド・アパートメント・ホラー(1991/日)アパート地上げの三下と不法滞在含む外国人との対決を描いて現代日本の細部が抉たれており、宗教呪術の導入によりフロイトを倣うかのように「不気味なもの」は「親密なもの」に反転する。アニメは門外漢だが本作だけで大友克洋を天才と呼んで構わないと思われた。[投票]
★4暴行(1950/米)米フェミニズム運動は立派なもので、そもそもアーカイブも充実しているのだろう、有難いことに昔の名作まで掘り出してくれる。本作は神経症的な描写の重層化に優れた逸品で、被害者の痛みが伝わってくる。中盤の凶行におけるブレッソン・タッチが特に素晴らしい。 [review][投票]
★3危険な場所で(1951/米)暴力刑事ライアンが左遷された先の自警団親爺エド・ベグリーはさらに暴力的という構図に面白味があるのだが、話はメロドラマに方向転換してしまった。弟の隠れる小屋が暖炉の画と同じという件が説明なしに放り出され記憶に残る。[投票]
★4大人には分らない 青春白書(1958/日)あり得ないほど明るく爽やかな若者連と、柳永二郎沢村貞子の夫婦コメディでもって、映画は親世代を嗤い飛ばし、ついでに深刻な太陽族映画を嗤い飛ばしている。見合いが義理と知って爽やかに去る環三千代がいい。[投票]
★5コスタリカの奇跡 〜積極的平和国家のつくり方〜(2016/米=コスタリカ)常備軍廃止を貫いた歴史が語られるのだが、その内実は米国の圧政と周辺共産党軍との間の綱渡りというのが実に興味深い。イラク派兵違憲の訴えを裁判所が認めてしまう件など感動的な史実で、統治行為論の本邦ではあり得ないことだ。示唆に富む好編。[投票]
★4映画 日本国憲法(2005/日)ベーシックな論点を踏まえつつ、強調されるのは9条のアジア民衆への謝罪の側面で、EUのようなアジア共同体が構想される、護憲派らしからぬ攻めた内容。日高六郎とベアテ・シロタ・ゴードンの映像が個人的に貴重。[投票]
★3エコエコアザラク(1995/日)懐かしい80年代のテクマクマヤコン。昨今のハリウッド活劇のマッチョ女に違和感しか覚えない者としては、吉野公佳の凜とした佇まいは好ましかった。菅野美穂のドス利かせた声は苦手。[投票]
★5若い狼(1961/日)青春残酷物語』への東宝の実直な回答。暴力団のエセ右翼詳述が興味深く、暗躍する学生鈴木和夫は勝共連合みたいなものなのだろう。路上のお婆さんに投げ銭し続ける、パーマでガラガラ声のパン助風星由里子が忘れ難い。[投票]
★2恋の片道切符(1960/日)後半に進むにつれて不明点が折り重なり無残に崩壊する作劇だが、芸能ネタは面白い。夜の駅でアブレたバンドマンが手配師にスカウトされたり、和製プレスリー平尾昌晃のグルーピーにマネージャー鳳八千代が指導したり。[投票]
★4アメリカ人を作るには(1912/米)まだ手探りなこの監督の作品のなかでは纏まった短編。フェミニズムというには余りにも当たり前の主張が展開される。皮肉はロシアに向けられているのかアメリカに向けられているのか。[投票]
★1心と肉体の旅(1958/日)「もう貴女に会えない女になっちゃったの」みたいな、信じられないほど下らない転落メロドラマ。阿蘇山ででもロケしたら格好つくだろうぐらいの企画なんだろう。気障の極まった葉山良二の鼻孔の開き具合ばかりが気になった。[投票]