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寒山拾得さんのコメント: 投票数順

★5紐育の波止場(1928/米)ドストエフスキー流の破廉恥騒ぎの豪胆かつ繊細な描写に黒澤が想起される。三船はジョージ・バンクロフトの影響大、しかしベティー・カンプソンの蓮っ葉な魅力は引き継ぐことはできなかった。 [review][投票(1)]
★4男はつらいよ 寅次郎の青春(1992/日)人生に悩む彼女を前に何にもできないプラプラ学生満男に同情しきり。風吹ジュンも寂しい。そして収束が見事。そう来たか、と唸る。 [review][投票(1)]
★4三重スパイ(2004/仏=ギリシャ=伊=露=スペイン)室内劇という限定された状況が不条理を醸し出し、冷徹な編集と相まって酷薄が極まる。省略の方法論の見事な達成。 [review][投票(1)]
★3怪獣大戦争(1965/日)無個性で科学信奉、女は皆美人な宇宙人の胸には赤いバッジ、核兵器(ゴジラ)輸出交渉に相対するは日米同盟という、訳が判ってしまえば実に紋切型な国際政治の寓話。ボート爆破の特撮が凄い。[投票(1)]
★4伽耶子のために(1984/日)シュールなフェティシズムに寺山が想起されるが、在日一世の苦難を扱うにもかかわらず津軽の閉鎖性に比べてこの北海道には未来へ向けた開放感がある。 [review][投票(1)]
★3喜びも悲しみも幾歳月(1957/日)灯台守の仕事を始終ブーブー云っているのが大胆。よく撮影協力してもらえたものだ。朝の連ドラのダイジェスト版みたいな出来。 [review][投票(1)]
★4エル・スール −南−(1983/スペイン=仏)年齢に応じて父の謎は異なるのだが、これに応じてショットを変化させるのが凄い。 [review][投票(1)]
★5楢山節考(1958/日)書割の舞台に極彩色、唐突な舞台転換に謡の導入と、いわゆる清順美学がすでに達成されている。 [review][投票(1)]
★4酒とバラの日々(1962/米)ヘベレケで坂を転がり落ちても起き上がって歩き続けるジャック・レモンの背中にバスター・キートンを見た。 [review][投票(1)]
★2乾いた花(1964/日)花札賭博もカーチェイスも殺人も盛り上がる前に止めてしまうインポテンツ演出は、格好つけ過ぎな池部良の造形と見合った世界観の反映かも知れないとは思う。[投票(1)]
★2凶気の桜(2002/日)「好き嫌いはっきりさせるのが大人だろう」という科白にはグッときた。はっきりさせる処に何の閃きもないのはタイトルを見れば直ぐに判るが。 [review][投票(1)]
★4北陸代理戦争(1976/日)笠原の事件重視に対して高田は人物重視、西村晃ハナ肇の滲み出る喜劇性と高橋洋子の純朴な突撃でもって膨らみを持たせ、松方弘樹の乱暴に必然性を与えている。[投票(1)]
★3悦楽(1965/日)短尺のコント向け艶笑譚をコテコテ重厚に演出して無理矢理感いっぱいだが、物語の見切り方に奇妙な味があり捨て難い。 [review][投票(1)]
★4イチかバチか(1963/日)最後まで川島は高度成長と地政学の作家だった。伴淳三郎の凄さに見とれていると、途中参入するハナ肇がさらに凄いという強力な重喜劇。 [review][投票(1)]
★4特急にっぽん(1961/日)笠原にしてははっちゃけないホンだが演出は好調。縦横無尽に駆けまわる女子職員群とサイレントに擬した車窓越しのドタバタは、モノクロ・シネスコ史上最高レベルのものと思われる。少なくとも黒澤より凄い。[投票(1)]
★5むかしの歌(1939/日)花井蘭子藤尾純のいい距離取った関西弁の丁々発止がメロドラマを乾いたものにしており、時折現れる水のイメージがどれも素晴らしい。 [review][投票(1)]
★3男はつらいよ 翔んでる寅次郎(1979/日)オープニングソングから2番が省かれたのはなぜだろう。♪目方で男が売れるならこんな苦労もかけまいに。この美しいフレーズの高みに本編届かずと止めちゃったのか。 [review][投票(1)]
★3男はつらいよ 噂の寅次郎(1978/日)全体に散漫で残念だが、上京者の離婚を摘みどころのない虚しさとして描く幾つかの断片は素晴らしく、大原麗子は最良の演技をみせてくれる。作品に恵まれなかったが、いい女優さんだった。彼女の実家は和菓子屋。[投票(1)]
★4晩菊(1954/日)稲妻』『晩菊』『流れる』。女の群像を描いた成瀬=田中の傑作群。 [review][投票(1)]
★2オルフェ(1950/仏)30年代ならともかく50年にこの内容は酷い。類型的な象徴に子供騙しの撮影。コクトーなど所詮この程度。[投票(1)]