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寒山拾得さんのコメント: 点数順

★4チャーリー(1992/英=米=仏)美点は序盤のいくつかの初期ドタバタの再現で実に鮮やか。ここだけでも撮られた意味はあった。初恋の相手役のモイラ・ケリーを最後の妻に再任用する配役が優しくていい。 [review][投票]
★4オテサーネク 妄想の子供(2000/日=英=チェコ)樹の又抱いて涙流すヴェロニーク・ジルコヴァーでもって、映画は女の涙を信じるなと教えてくれる。この何でも喰らってデカくなる怪獣、カオナシそっくりだがどうなんだろう(『千と千尋』は2001年)。 [review][投票]
★4悪魔スヴェンガリ(1931/米)「悪魔くん」のメフィストの元ネタ(ねずみ男にも似ている)に違いなかろう。これは有名な話なんだろうか。話も「ガロ」っぽく、中性的なマリアン・マーシュの宝塚風の造形が強烈な印象を残す。 [review][投票]
★4戦慄のスパイ網(1939/米)ハイルする/させるの上下関係がリアル。このポーズ取るのも最初は照れるのだと知る。上司はオドオドしている初心者を圧倒するように手を挙げる。「連中はヒットラーに取り憑かれ、自分を超人と思っている」 [review][投票]
★4ラインの監視(1943/米)序中盤、観客はホームドラマのようにうるさいお祖母さんとうるさい次男坊とうるさい劇伴を我慢しなければならない。これは意図的な演出なのだと終盤に我々は納得させられることになる。 [review][投票]
★4山河遥かなり(1948/スイス=米)名画然とした名画。占領下ドイツの瓦礫ばかりの廃墟がロケされていて痛ましい。あんまり批評眼尖らせて観る類ではないが、逃げて川で溺れる子供の件など堂々としている。 [review][投票]
★4最後の突撃(1956/日)水木しげる「総員玉砕せよ!」で有名なズンゲン玉砕が描かれる。水木も参照にした原作の映画化で、込められた思いは正反対に見えるが、ともあれ水木ファンは必見。 [review][投票]
★4王将(1962/日)演れば演るほど阪妻の影を感じざるを得ないなか三國連太郎は好演、豪勢なセットを慈しむように撮るキャメラが美しい。もう少し日蓮宗が大人しければ、愛してしまいたい映画なんだけど。 [review][投票]
★4出撃(1963/日)芦川いづみの「貴方が飛んだら日本は勝てるの」なる発言、昨今の右翼映画なら総出で窘めにかかる処だろうが本作では称揚される。『永遠の0』のネタ元のような、死んだら蛍になる、靖国の桜で会おう、なる遺言は、前者は守られるが後者は黙殺される。 [review][投票]
★4おさな妻の告白 衝撃(1972/日)ゴールデン街の二階の窓から全裸で手を振る片桐夕子。彼女の儚い造形は田中絹代の再来のよう。本作は彼女の魅力に忠実なのがいい。代表作だろう。 [review][投票]
★4虹をわたって(1972/日)処は横浜元町、河口に延々続くだるま船の縦列駐車(三重)はセットで組める規模ではなく、当然ロケなんだろうが、本当に水上生活者が住んでいたのだろうか。『泥の河』の加賀まりこのような。 [review][投票]
★4戦争と青春(1991/日)戦争体験とはこのように語りにくく、多くは墓場へ持っていかれたのだろう。町角毎に本作のような悲劇があったに違いないのに。井川比佐志とともにそう思わされる。 [review][投票]
★4アイたちの学校(2018/日)朝鮮学校の基本理念、阪神教育闘争の記録及び現在の法廷闘争から成り、『GO』や『パッチギ!』の補足としても興味深く観られる。ただ、日本人の素朴な疑問に応えられていない舌足らずさは感じた。 [review][投票]
★4柿の木のある家(1955/日)ライト熊谷製作脚本のレフト壷井栄作品という奇怪な組合せで、へんな化学反応を起こしたのかやたら陽気でいい作品。何より子役たちがいい。 [review][投票]
★4森山中教習所(2016/日)まあ色々あるけど持って行くのが岸井ゆきのならいいか、という処でドラマは適当に成立してしまう。麻生久美子はロマンス演り続けて凸ちゃん越えを狙うのだろうか。 [review][投票]
★4これらのいやな帽子(1909/米)「コレラの厭な帽子」かと目を疑ったが関係なかった。私は上映前に「ご鑑賞に際しましては脱帽願います」のアナウンスを聞いたことがある。80年代の今はなき難波アーケード街の映画館で、紳士が帽子かぶった時代の名残りだったのだろう。 [review][投票]
★4アラスカ珍道中(1946/米)時代を背景に温和になったスラップスティックだが、それでも腹抱えるギャグが満載されている。本邦のある時期の軽文化人は、このコンビにすべからく影響を受けているんだろうと思わせられる。 [review][投票]
★4ショコラ(2000/米)キリスト教でも断食はあるのだと知る。英語で四旬節はLent、断食はfast。断食が破られることから朝食はbreakfast。ビノシュと娘の赤いマントがとても印象的。この有徴で共同体から選別排除されるのだろう。 [review][投票]
★4第七の十字架(1944/米)アンナ・ゼーガースの小説から逃走部分だけ引き抜いた作劇らしいが、リアルタイムで撮られた意味は充分あっただろう。正義と国家が対立するとき人はどうすべきかをリアルタイムで問うて切実である。 [review][投票]
★4鬼戦車T34(1965/露)導入部からして戦車部隊の真面目な追悼映画のはずなのだが、なぜかしばしばナンセンスの味がする。製作者は何かの手違いで『馬鹿が戦車でやって来る』(64)を参考にしたのではないだろうか。 [review][投票]