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寒山拾得さんのコメント: 点数順

★4わが街三島 1977年の証言(1977/日)五所遺作は三島市の水源枯渇に係るドキュメンタリー。高度経済成長の歪みを糾して誠実な作り。作品では触れられないが、三島は市民運動でコンビナートを建設断念に追い込んだ歴史がある由。 [review][投票]
★4花嫁の寝言(1933/日)姉妹編『花婿の寝言』から教訓を取り去ったようなナンセンスコメディ。いつもの面々がバカバカしいお笑いに打ち込む様が美しい。 [review][投票]
★4五重塔(1944/日)名刀美女丸』みたいな匠の戦意高揚映画かと思いきやまるで違った。上官の命令は絶対の時代にこれ撮っちゃうのは凄いことだろう。 [review][投票]
★4愛と死の谷間(1954/日)実存と不安の椎名麟三作。ポール・オースター好みの主題は、安楽死や貧困地域の際限のない無償医療の要求を受け止める津島恵子を漠然とだが宗教に向かわせる。ブラックユーモアは余計。 [review][投票]
★4蜂の旅人(1986/仏=伊=ギリシャ)ポップス連発する吸血娘アメリカ。対するマストロヤンニは歌を知らない。 [review][投票]
★4デッド・オブ・ナイト(1972/米=カナダ=英)ベースの物語と登場人物の回顧譚5作(1.霊柩車の運転手・2.クリスマスパーティ・3.呪われた鏡・4.ゴルファー物語・5.腹話術師)から成り、モノクロらしい深夜と真昼の得体の知れなさが蔓延している。コメディ作品4がHGウェルズ原作の由。 [review][投票]
★4アルチバルド・デ・ラ・クルスの犯罪的人生(1955/メキシコ)過去の異常事にかかるトンデモ批評の連発。『銀河』や『ブルジョアジー』などフランス移動後の傑作群に直結するタッチでもって、意地悪爺さんは人の善意と悪意を揶揄い続ける。 [review][投票]
★4素晴らしい哉人生(1924/米)ポーランド人はなんて苦労したのだろう。この苦労は、ドイツ人は忘れてもポーランド人は絶対忘れないのだろう。映画はそんななか、小さな幸せを綴ってIsn’t Life Wonderful?と呼びかける。肉屋の行列の件がすごい。 [review][投票]
★4巨人ゴーレム(1920/独)黒魔術の存在が肯定されるユダヤ人ゲットーの物語。センシティブな話で暗喩は難しく、どう観ていいのか戸惑わされる。カフカ以降の映画なのだからなおさらだ。自己批評を批評する権利があるのは当事者だけなのだろう。 [review][投票]
★4i-新聞記者ドキュメント-(2019/日)こういう文屋の反骨の成果がテレビでは殆ど流れなくなった現在、映画は記録する価値がある。社会部記者のドン・キホーテのような突撃取材は、政治部記者の大半のサラリーマン化と好一対を成している。 [review][投票]
★4・ふ・た・り・ぼ・っ・ち・ JUST TWO OF US(1988/日)バブルはバブルなりに人は苦労していたものだ。懐かしい古村比呂の似合わないキャリアウーマンがかわった味。話は平凡だけどちょっと好きな作品。 [review][投票]
★4愛と平成の色男(1989/日)タダ券があったので期待せず観たのだが拾いもの。『メインテーマ』では半端だったバブリーコメディを、アイドル売り出しの制限なしに気兼ねなくフルスイングして、まことにバカバカしい一篇としている。 [review][投票]
★4遥かなる甲子園(1990/日)聾学校の野球部を描いて良質のベタ映画。『さらば箱舟』の解説付。小川真由美のお母さんがとてもいい。田中美佐子は当然いい。そしてタイトルがいい。 [review][投票]
★4朝やけの詩(1973/日)「戦後開拓」について蒙を啓かれ驚愕。しかも満蒙開拓とダブルパンチとは。ああ国策なんてこんなもの。無知を嗤うのは後知恵。いまやガソリン車産業だっておんなじ運命だ。 [review][投票]
★4人間革命(1973/日)大学の下宿の大家の小母さんが学会員で、見延山に参ったら脚が立てるようになったと語っていたのを思い出した。本作、その類の奇跡噺かと思いきや存外理性的な説教連投で勉強になった。入信しようとは思わんが。 [review][投票]
★4けものの眠り(1960/日)まだ清順らしさは主張されず、典型的な日活活劇として上出来の佳作。序中盤の清張ばりに謎をばら撒く手際が優れており、芦田伸介の陰影が心に残る。 [review][投票]
★4出撃(1964/日)東映のようにケツまくる快優もおらず東宝のように右翼の地金も出さず、ただ日活の真面目な面々で真面目な滝沢演出の下、真面目に作られた特攻映画。芦川いづみは再び特攻兵を追いかけ、収束に突然よくなる。 [review][投票]
★4日本暗殺秘録(1969/日)東宝が『激動の昭和史』、日活が『戦争と平和』の時代にこれブツける東映の如何わしさよ。『広島死闘篇』と並ぶ千葉真一の代表作に違いない。「革命はオレたちでやるんじゃないんだ、オレがやるんだ」。 [review][投票]
★4不道徳教育講座(1959/日)ミシマは初期の自作の映画化作品を嫌っていたが、本作を観ればそれはそうだろうと思わされる。なにせ戦前右翼の道徳教育復活、教育勅語復活をパロディにしているのだから。これは確信犯と見たい。 [review][投票]
★4われらの時代(1959/日)あの魅力的な文体を捨象して映画で比べると、大江健三郎も太陽族に近い処から始めたのだと判って面白い。こんな反米映画はすっかり撮られなくなったものだ。 [review][投票]