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寒山拾得さんのコメント: 点数順

★5アメリカン・ユートピア(2020/米)生真面目なデヴィッド・バーンの経験の歌。絶賛する友人に何が良かったのか尋ねるとまず曲間のコメントがいいのだと云われ、なんだそれはと思ったが本当にそうだった。 [review][投票(2)]
★5ハムレット(1964/露)オーソン・ウェルズ『マクベス』の正統な後継作で重厚の極致、シェースクピア悲劇映画の極北だろう。質量とも『蜘蛛巣城』を圧倒しており、クロサワが巨大予算がないと映画撮らなくなったのはコージンツェフへの嫉妬からではないだろうか。ショスタコーヴィッチが箆棒に格好いい。 [review][投票(2)]
★5ウッドストック(1970/米)言葉のインフレで神とはいまや平凡の同義語だが、このジミヘンの演奏こそは神がかり。そのとき最終日で客のほとんどが帰った後だったのが映画で確認できる。ミネルヴァの梟は黄昏に飛び立ったのだった。 [review][投票(2)]
★5あにいもうと(1976/日)戦前撮られた木村荘十二版は兄の父権は当然だった。戦後のナルセ=水木版は新民法下でこれを相対化した。今井版はさらにこれを反転させている。 [review][投票(2)]
★5黒い雨(1989/日)悲劇を喜劇の手法で綴って、全く笑えないイマムラ流「重喜劇」がついに完成している。贅沢なモノクロが素晴らしく、武満も箆棒にいい。アメリカでかけ続けてほしい秀作。 [review][投票(2)]
★5愛と死の記録(1966/日)好調蔵原の日活期後半は誠に神懸っている。センチにならざるを得ない題材をドライに物してしまった。広島ロケの借景がどれもいい。 [review][投票(2)]
★5評決(1982/米)十二人の怒れる男』の正反対を試みて成功している。本作の主役は、選考会の断片以外一言も喋らないが、やはり陪審員なのだ。 [review][投票(2)]
★5人斬り与太 狂犬三兄弟(1972/日)渚まゆみのラーメンにチャーシューのせる文太。これが彼がこの世でなした、たった一度の善行なのだ。「蜘蛛の糸」のカンダタが蜘蛛助けたみたいな。本作の暴力描写はいまだに本邦映画100年の頂点。 [review][投票(2)]
★5独立愚連隊西へ(1960/日)日中戦争北支ものの代表作。永年保存に値する傑作。アジアへ堂々輸出すべき戦争映画だ。邦画でそんな感想を抱かせる作品は残念ながらとても少ないのだが、本作は誉れある例外である。 [review][投票(2)]
★5狂った果実(1981/日)京一会館で観たなあと思い出が蘇った。アーケードの入口、スーパーの二階、脚のお悪い店長ともぎりの小母さん。スーパー改修と一緒になくなっちゃった。黒沢清特集では満員だったのに。 [review][投票(2)]
★54ヶ月、3週と2日(2007/ルーマニア)本作のド壺から遠ければ遠いほどそこは女にとって生きやすい世界だろう。最悪の尺度のような映画だ。 [review][投票(2)]
★5おばあちゃんの家(2002/韓国)町の食堂でお婆さんは孫にだけ食事を注文する。腹の減らない老人にとってそれは特別なことではないが、心ある少年にそれは一生の宝になるだろう。世の中そうやって回っている。★6級。 [review][投票(2)]
★5南極料理人(2009/日)グダグダな官製事業を見れば条件反射で「縮小」しか思い浮かばなかった当時の小市民の新自由主義的心情を挑発するグウタラ職場。これは挑発の喜劇、2008年に始まった「身を切る改革」とやらのパロディだったのだ。 [review][投票(2)]
★5巴里祭(1933/仏)4Kで拝むアナベラの麗しさよ。眼福眼福。 [review][投票(2)]
★5天使の涙(1995/香港)情念から自由でただ性欲だけがある乾いた世界。ゴダール以降のひとつの極北だろう。21世紀の本邦青春映画は全てウォン・カーウァイを意識しているはずだが、なぜか本作のレベルまで突き抜けない。 [review][投票(2)]
★5マンディンゴ(1975/米)プロイテーション映画という評価(批判)はよく判らない。真面目な映画と受け取ったが、例えば特に善意もない石川達三「生きてゐる兵隊」が中国戦線を生々しく記録しているような処はあるのかも知れない。 [review][投票(2)]
★5緋牡丹博徒 花札勝負(1969/日)本作の情感は類作から頭ひとつ抜けている。脇役端役を腰を据えて描く、しかも藤純子の造形深化との往還において描くという方法が徹底されているためだろう。スキップだらけのフィルムは痛々しい。復旧を乞う。 [review][投票(2)]
★5爆裂都市 Burst City(1982/日)巧みな画と編集でもってハイテンションの安定飛行という曲芸を見事に達成している。凡百のパンク映画と一線を画したとても丁寧な映画。本作がなければ塚本も三池もなかっただろう。 [review][投票(2)]
★5港々に女あり(1928/米)「トムとジェリー」の乱痴気騒ぎは終盤のジレンマを経てとてつもない強度に至る。本作のルイーズ・ブルックスのレオタード姿を観ずして「悩殺」という言葉を使ってはいけないのではないだろうか。★6級の傑作。 [review][投票(2)]
★5遠い一本の道(1977/日)国労がもうアカンと白旗上げた映画ではないか。革命党と民衆の矛盾を多く描いたと云われる宮本研らしいホンなのだろう、労働者の技術の終焉と労組の行き詰まりを具体的に描いて史的価値がある。前衛的な手法も全てツボにハマった傑作。 [review][投票(2)]