寒山拾得さんのコメント: 更新順
をぢさん(1943/日) | 翼賛町内会で無私の精神を発揮する河村黎吉を小馬鹿にする処に池田忠雄の節操を感じる。喜劇としては弱い。 [review] | [投票] | |
猛獣使いの少女(1952/日) | 新憲法発布の年に撮られた日米境界線上に展開される象徴界の葛藤と見れば随分刺戟的なメロドラマ。猛獣とは岡譲司の日帝に他なるまい。 [review] | [投票] | |
愛國の花(1942/日) | 日本的な集団主義のなかでいかに戦争参加の主体は立ち上るかが、見合いの風習をトレースして語られている、と見ればとても興味深い美談版『赤い天使』 [review] | [投票] | |
大自然の凱歌(1936/米) | 大自然は女に仮託され製紙王の傲慢が対照されるという『ジャイアンツ』的な主題があったはずだが何処かへ行ってしまい、結果訳の判らない邦題が残った、ということなんじゃないか。 [review] | [投票(1)] | |
ロビンソン漂流記(1952/米=メキシコ) | ブニュエル史上突出して爽やかな作品。「人食い人種」や主人と奴隷をあけすけに描くにあたって彼ほどの適任者が他にいるはずもなく。哀れなワンコは本当に殺しているのではなかろうか。 | [投票] | |
神様のくれた赤ん坊(1979/日) | こういうイモを偏愛するのが邦画ファンのあるべき姿と心得てはいるつもりだがこれではあんまりである。爺婆の慰みものに過ぎないのではないか。 [review] | [投票] | |
空軍(1943/米) | 本邦から眺めれば何かと文学的な真珠湾奇襲は、アメリカから見れば竹を割ったような非道であることよの感慨があり、スタンダードサイズと戦闘機の丸窓の組み合わせがとてもいいのだが、ラストはとんでもない蛇足で評価は地に落ちる。 [review] | [投票] | |
ヒット・パレード(1948/米) | 『教授と美女』には及ばぬが本作も愉しい。ジャズ演奏がどれも辛口なのが大いなる美点であり、切り取った新聞記事を出鱈目に歌詞にするセッションが最高に可笑しい。 [review] | [投票] | |
爆裂都市 Burst City(1982/日) | 巧みな画と編集でもってハイテンションの安定飛行という曲芸を見事に達成している。凡百のパンク映画と一線を画したとても丁寧な映画。本作がなければ塚本も三池もなかっただろう。 [review] | [投票(2)] | |
秘話ノルマントン號事件 假面の舞踏(1943/日) | 不平等条約の悲憤慷慨は徳大寺伸の逆さ八の字眉毛とともに坊主難けりゃ式に仮面舞踏会襲撃に至る直情径行。「あの日を忍んで五十余年」とイギリス国旗踏みつぶすに至る国策映画っぷり。 [review] | [投票] | |
レッド・ツェッペリン 狂熱のライブ(1976/米) | ロバート・プラントの中世の剣士ごっととかジミー・ペイジの山登りとかの寸劇は、ツェッペリンの歌詞世界そのままでありいかにも薄っぺら。このバンドがなぜ愛されても尊敬はされないのかを如実に示している。 [review] | [投票(2)] | |
君と行く路(1936/日) | おそろしく窮屈なメロドラマ。凡俗な登場人物のなか清川玉枝だけが悪役を嬉々として演じているが、彼女への非難集中は幾ら何でもバランスを欠いているだろう。 | [投票] | |
最後の誘惑(1988/米) | これほど安手の美術と照明はスコセッシ作でも下の部類だろう、ベルトルッチ『リトル・ブッダ』といい勝負の観ていられないレベル。人間イエスを描くのだから『奇跡の丘』のような高貴な映像はいらないという判断でもあったのだろうか。 [review] | [投票(1)] | |
港々に女あり(1928/米) | 「トムとジェリー」の乱痴気騒ぎは終盤のジレンマを経てとてつもない強度に至る。本作のルイーズ・ブルックスのレオタード姿を観ずして「悩殺」という言葉を使ってはいけないのではないだろうか。★6級の傑作。 [review] | [投票(2)] | |
奇傑パンチョ(1934/米) | メキシコ革命を簡潔に描いて啓蒙的。軍人の政治への関わり方の理想像として説得力があり、娯楽映画にしていろいろ考えさせられる秀作。 [review] | [投票] | |
駆潜艇K−225(1943/米) | 美点はカナダ海軍協力の下、水雷の爆発にやたら迫力があること。その他はお座なりな国策映画。せめてワンコがも少し活躍してくれれば。 | [投票] | |
人生模様(1953/米) | フルハウスとはいかないがスリーカードには十分。小説が読み直したくなる。スタインベックが拝めるのは余得。 [review] | [投票(1)] | |
箱根山(1962/日) | 美点はやはり『愛のお荷物』『特急にっぽん』系列のヒステリックな導入部でやたら面白い。本編は落ち着いた語り口なのだが東野英治郎だけがそのままテンション高く駆け抜けてお茶でうがいするに至る。 [review] | [投票(1)] | |
暁の偵察(1930/米) | 同年の『西部戦線異状なし』と並び賞されるべき不条理戦争映画の傑作。第一次大戦がいかに地獄だったかを記録し、カフカ登場の予告までしている。ホークスらしい余裕はまるでない、だいたい女優が一人も出ないのだ。 [review] | [投票] | |
果てしなき蒼空(1952/米) | 50年代に米先住民族との融和を謳っているのは賞賛に値するのだろう。残念ながら映画としては漫然として印象不鮮明。 [review] | [投票] |