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[コメント] レ・ミゼラブル(2012/英)

コゼットについて・・・。
Gala

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







帝国劇場に10回以上足を運んで「レ・ミゼラブル」のミュージカルを観ている私にとって この映画は文句なしに100点をさし上げられる作品に仕上がっている。 原作がしっかりしているこの作品は、 誰が主役になったとしても、映画が1本作れるぐらい内容が濃いのだ。

ジャンバルジャンは、過去に犯した罪を悔い改め、 コゼットを育てる事でいままでの人生を贖罪する。 しかし身分の偽りが足かせとなって、常にジャメールの陰に怯えなければならない。 一方ジャメールは「法の順守」が自分自身の正義であるが、 それを自ら背いてしまったばかりに、罪にさいなまされ、ついには自らに有る決断を下す。 マリウスはおぼっちゃまという安定した地位を捨てて、 やっと見つけた本当に恋に身をゆだねる事もなく 仲間と共に革命に生きようと決意する。 エポニーヌは報われぬ恋心を隠し、マリウスの恋が成就するよう手助けをする。 ファンティーヌは愛した相手に捨てられて娼婦にまで身を落とすが、それでもコゼットの幸せを願い続ける。 それぞれが、苦しい思いを胸に秘め、その時代を懸命に生きている。 誰が悪いわけでもなく、一生懸命、正直に生きているのに苦しいのだ。 革命に参加せざるをえない小さい子供だって頑張っているのだ。 そういう時代なのだ。

それなのに、 それなのに・・・だ。 コゼットはどうだろう。 確かに子供時代は多少苦労したかもしれないが、 その後の人生はさほど苦しさを感じない。 コゼットだけはのほほんと生きているように見えてしまう。 コゼットはこの話の中の癒し部分担当なのだろうけど、 S気が強い私は、もっとコゼットをいじめてしまっても良いのなーなどと 思ってしまうのである。

以下はレビューとは全然関係ない話

小さい頃、「ああ無情」と言う小説を読んだ。 盗んだ燭台を「あなたに差し上げたものです。」と言う神父さんの優しさに 子供ながらに涙した。 そしてジャンバルジャンが「正しく生きよう。」と決意した時 私も正しく生きようと思った。

大人になって、レ・ミゼラブルを知った。 子供のころに読んだあれは、ほんのさわりの部分だったのだと分かった時の衝撃は いまだに忘れられない。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (6 人)tkcrows[*] IN4MATION[*] カルヤ[*] たいへい[*] 浅草12階の幽霊 なつめ[*]

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