橋本愛がサナ（この役ならもう少しあか抜けさせればよかったのに）をひっぱたくシーンではなく、映画部部長がイケてる男子たちに「ロメロだよ、そのぐらい観とけ！！」と言い放つ場面ではないでしょうか。あんたたちがイケてるのはわかったよ、もう十分わかった。ただね、あんたロメロ観たの？ペキンパーは？えっ、三船敏郎って誰だかわからないの？知らないことがたくさんあるくせに覇者面してんじゃねーよ！！と、こういう感情を抱いたことがある方は多いのでは。

まあそんなことはどうてもいいのですが、この映画は期待以上に良かったです。橋本愛が、イケてる女子グループに疑問を抱きながらも、その対になる男子グループの一人（しかもかなりアホそうな）と付き合っている、というのは妙にリアリティがあった。ここでこの子が映画部の誰かと付き合うなんていう古谷実漫画みたいな展開は、やっぱりあり得ない。 この映画は、イケてる側にも、さえない側にも、結局どちらにも寄り添わないところが良かった。何も考えずにワガママいっぱい過ごしているように見えるサナなんかも、桐島の女に「桐島くんと話すとき私も一緒に行ってあげようか」と言い、「なんで？」と返され、とっさに「ごめんね」と言うあたり、やっぱり結構ストレスフルに過ごしているんじゃないかと思った。