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[コメント] ジョジョ・ラビット(2019/米)

反戦とか人種とかいろんな問題があるけど、子どもみたいな純粋な気持ちと愛があればそんな問題なくなるはずなのだろう。
deenity

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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アカデミー賞6部門にノミネートされている本作。第二次世界大戦時のドイツ軍を率いたヒトラーに憧れを抱く少年ジョジョの成長譚です。

見ていて気づかされるのが、作られている作風やカメラワークなどが独特な味のある点。戦争をテーマとしながらも非常にポップで色彩に溢れていて、基本的なカメラワークは低く全身が映し出されないシーンも多い。 これは10歳の男の子であるジョジョの視点でストーリーが展開されていくことを示しており、故に他の戦争を扱った作品と比較しても重苦しさはないように感じると思います。

ただ、子ども視点であるからこそ残酷なシーンは避けて見ることができますしブラックコメディとして見れますが、大人である自分が見るとその残虐さは察することができるので非常に考えさせられる部分も多いですね。「手榴弾を抱えてハグしてこい」には笑えるんですがやはり笑えない。。 ジョジョからするとそういう現実よりも遥かに冒頭で弱虫といじめられるシーンの方がきつく映っていましたね。それもどこか印象的ではあります。

そしてこの子ども視点が一番活きてくるのが母親のシーンですね。母親役を務めるのはスカヨハです。この母親の愛がまあ素晴らしい。女手一つでジョジョを育てながら、時に父親を演じ、時に国に背いて現実の問題を突きつけ、決してジョジョを否定せず、温かい愛で包み込む。見事な演技力だったと思います。 母はジョジョの靴紐を結んであげる。このシーンはジョジョの成長として解しやすいシーンでもありますが、一方の母親の足元しか見えないシーンが後半にものすごく効いてきます。ただ背が低いからその視点にしかならないのかと思いきや、上手い伏線の張り方ですね。

本作は確かに戦争を描いた映画で、人種問題も扱った映画で、だけどそれ以上に愛の映画でもあると思います。 例のユダヤの女の子。思い描いた化け物みたいなイメージと全然違う普通の女の子。可愛らしく恋心も芽生えていきます。そして向き合わざるを得ない現実の問題。何が正しくて何が間違っているのか。今まで崇拝してきたハイル・ヒトラーは間違っているのか。ユダヤ人はやはり生かしておいてはいけないのか。そういう葛藤を全て乗り越えるのが愛の力だと、親子であろうと恋であろうと、愛の偉大さを感じる作品であったように思います。 視点もそうですが、少しこの辺りが名作『ライフ・イズ・ビューティフル』にも似ていますね。さながらグイドにあたるのは母親なのか、それともサム・ロックウェルなのか。本当に演技の素晴らしさも際立った作品でした。

(評価:★4)

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