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[コメント] アス(2019/米)

ホラー演出は安定感あるんですけどね。狙いすぎはちょっと。。
deenity

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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ジョーダン・ピール監督といえば『ゲット・アウト』で一躍注目を浴びた監督ですが、前作もそうでしたがこの監督の特徴として、ホラー演出と社会問題をうまく融合させる演出が見事であり、そこがウケたわけですよね。

それでいて本作はまさに前作を彷彿とさせる感じを漂わせているので注目はしていたわけですが、先に言わせてもらえばイマイチだったかと思います。

とは言えこの監督の期待値があるので別に作品自体がつまらないわけではないですし、ホラー演出的な面では素直に面白いと認めざるを得ません。

しかし、今作で言えば社会問題要素がいまいちしっくり来なかったという感じですかね。 ニュアンスとしてはわかります。格差社会的な問題は昨今取り上げられるテーマですし、一方が自由で裕福な暮らしを送りながら、一方は底辺で日の目を見ることなく暮らす日々。見た目では何も変わらないのにこの差はなんだ。 面白いのは下に降りるエスカレーターが一方通行なのが興味深いですよね。まさに社会の縮図を表すかのような感じで。姿形こそ何も変わらないのに住む世界によっては言葉すらままならない感じとか。実にエッジの効いたメタファーだと思いました。

ただ本作の方が実感がないせいか、メタファーが理解しきれていないように思えてしまい、テーマに関してもいまいちピンと来てないのが正直なところ。 「Hands Across America」は1980年代に実際にあったチャリティー活動だってことは何となく知識として知っていますし、「We Are The World」と違ってうまくいかなかったというのも聞いたことはあります。 この活動の根本には貧富の差をなくすという意図があり、それ自体を把握した上でうまくいかなかったのは浄財が高かったがためのものなのか。それとも国民の危機感や認識の問題だったのか。それによって本作を作った監督のメッセージの重みは大いに変わってくるように思えます。

(評価:★3)

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