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[コメント] スイス・アーミー・マン(2016/スウェーデン=米)

ダニエル・ラドクリフがまさかの死体役。難しい役だと思うけど笑わされるだけのコメディ作品になっていなかったのはよかった。
deenity

**ネタバレ注意**
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ぶっちゃけふざけた映画だな、って思った(笑)思ったんだけど、でもこの見終わった後のほっこりした気持ちは、爽やかな気持ちは第一印象からはとても想像できないほどで、素直にいい映画だった。

訳わからん映画なのはCMでも見て知ってたけど予想以上にふざけまくってて、ダニエル・ラドクリフもよくやるな、って感心してた。タイトルは万能ナイフのことだそうで、ダニエル・ラドクリフが演じたメニーが人間万能ナイフ的な役を演じるのだけども、屁をこいたり水吐き出したり辺りまではよかったんだけど、「喋るんかい!」ってのはまずこの作品の印象が最初に崩れた部分だと思う。

喋り始めてからも下ネタばっか。それもしょうもないやつ。だからどこまでふざけるんだろ、って思ったんだけど、死体のメニーの何事にも縛られない常識を無視した考え方に疑問を持ってしまうのは不思議だ。 ハンクの語る内容は至極真っ当なことばかりなんだけど、そんな常識も通用しない人にいざ説明するとなった時に、全くもって説得力がないことに気づかされる。例えば何故人前で屁をこいてはいけないのかと問われて「恥ずかしいことだから」なんてのは全く説得力はない。実際それ以上に上手い説明ってできないんだけど、だからこそ説明しながら、「あれ?何で恥ずかしいんだっけ?」って考えさせられる。所詮それは社会というしがらみの中で生きていく周りを気にした生き方でしかないのに。

彼が社会に戻れる状況に至った時、その選択を選ぼうとしないのは自分らしく生きることと向き合った結果。社会で生きていく以上、そんな考えが通用するはずないんだから。 追ってきてくれる人たちはある程度追ってはくれるが、事実を知るとサーっと引いていく辺りはまさに社会の象徴。引かれることも気にせず屁をぶちかますハンクは殻を破った証拠。 圧倒的にできてしまった壁。ここでまさかのメニーの退場。周囲は呆気にとられる。そりゃそうだ。こっちまで置いてかれたのだから。 それでもその退場していく様子を見て、つまりメニーやハンクのようなその考えを見て笑っていたのは社会的縛りもないもない子どもとハンクの幸せを願っている父親だったのも印象的。 とことん見ていたイメージをぶち壊される映画だった。

(評価:★3)

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