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[コメント] マイ・バック・ページ(2011/日)

これはつまりタイムリープである。そんなタイムリープモノ映画は言うまでもなく、皆の大好物のはずだ!(笑)
シオバナカオル

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







相対的に日本の映画が(特に)ハリウッドと比べて見劣りする原因の一つは、キャスティングの適材適所にある。そしてその人材の薄さが映画そのものを駄作に導く落とし穴になっている。

という前置きをわざわざしたくなるほど、この邦画、出演陣のキャスティングがとにかく良い!

妻夫木聡の甘さ(脆さ)も松山ケンイチの嘘くささも忽那汐里の古き良き(日本人)女性らしさも石橋杏奈の豊かな清楚さも中村蒼の弱さも長塚圭史のカリスマ性も他マスコミの各人もさらに言っちゃえば青木崇高の野暮ったさも!どの人もピタリと来る人物に当てはめられていてそれだけでも物語に説得力があり画面に栄える。劇中のなかだけではなく、しっかりと彼らの前後の人生を感じることができ「生きている」気がするのだ。キャラクターの造形をする上でこれ以上の至福はない。

また、もしかすると「学生運動」という一つのキーワードは、10代20代のつまり松ケンや妻夫木を目当てで見に来た層には非常に退屈な2時間弱だとかもしれない。

だけど、例えば政治に対して、社会に対して、ここまで現代の若者は何かに向き合っているのだろうかと思った。 運動を美化するつもりはないけど、目的化してしまった人たちも含めてそれぞれなりにひたむきに「社会に対して向き合って」いたわけで、それに比べ現代の私たちは情報化社会ですぐに諦めたり小賢くなったふりをしちゃって何も動くことができなくなっていないかなと思った。

むしろ現代の社会こそ変革が必要でしょ。きっと心のどこかでは気づいているのに面倒がる人が多すぎる。 ・・・つまり、この映画は現代若者に送られたメッセージ。

だから尚更、松ケンと妻夫木のキャスティングはそういった意味でも二重に大正解なのだ!彼らがあの時代に生きた苦悩を現代の私たちが自分の目で見、疑似体験できる。これはつまりタイムリープである。そんなタイムリープモノ映画は言うまでもなく、皆の大好物のはずだ!(笑)

ちなみに主題歌も大正解!すごく良かった。

(評価:★5)

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