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DSCHさんの人気コメント: 更新順(8/16)

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★3カイロの紫のバラ(1985/米)あいまいになった虚実の往還、特にその「還」の部分を苦く切なく、しかし力強く描いた『ビューティフルドリーマー』(押井守)が横綱の高みと深みだとしたら、これは前頭三枚目くらいではなかろうか(適当)。現実がこっそり牙を剥き続ける一本調子がけっこうしんどい。ファローの造形も、サマンサ・モートン(『ギター弾きの恋』)の超絶的造形の背後に霞んで見える。 [review]ゑぎ[投票(1)]
★3ガントレット(1977/米)お菓子食べながらキャッキャ騒いで観る映画と思ったら、予想外に真顔、というか作家映画。偏執的な銃弾量。思考停止状態で撃ちまくる警官達は全体主義のゾンビのようで、笑いがいつしかおぞましさに変質する(過剰さの匙加減が巧い)。その中で貫かれるベタなロマンティックに信念が熱く滾る。熱いけど粗い。評価が難しい。 [review]山ちゃん, 3819695, jollyjoker, けにろんほか5 名[投票(5)]
★2ロード・トゥ・パーディション(2002/米)胡散臭い。及び腰。うッすい「重厚感」。ダーティを貫いてこその悲劇とか特異な美しさを提示すべきでしょう。父子関係の特異な突き詰めなら『キック・アス』を観て卒倒する方が有意義と思う。ハンクスニューマンロウの顔面にもそこはかとなく嘘くささが漂い、画ヅラどうこうを語りたくないのに、撮影の「重厚感」がこれまた嘘くさくて苛立たしい。個々の問題ではなく、一貫した本気の統制力を感じられない映画。ナム太郎, ぽんしゅう[投票(2)]
★5マグノリア(1999/米)クソッタレな人生達に降りかかるクソッタレな雨。この世界の「転換」なんて、むしろこんなクソッタレな形でしか起こりえないのではとさえ思う。汚濁=苦しみは汚濁=苦しみでしか流せないかもしれない、しかし必ず流せる、と静かに強く語る監督の厳しくも優しい視線。苦しみが頂点を迎える「合唱」シーンに涙腺が決壊した。これはレクイエムだろう。アルトマン後継者筆頭の面目躍如。全てが高水準だが楽曲が特筆。jollyjoker, けにろん[投票(2)]
★2THE 有頂天ホテル(2005/日)観せる者と観る者相互の「共犯」。私はこれには与したくない。観る者の予想を遙かに上回り圧倒しようという迫力と良い意味での悪意が感じられない(悪意がないのが三谷さんですから要するに好みなのですが)。約された大団円へ向かう馴れ合い芝居に刺激のかけらもない・・・と思いきや、ただ一点、付き人(梶原善)の神速平手打ちに気概を感じた。本作に足りなかったのは、この「真摯な裏切り」であると思う。 [review]ダリア, おーい粗茶, けにろん[投票(3)]
★4魔女の宅急便(1989/日)冒頭、キキの一見乱暴な箒術は母から「相変わらず下手ね!」との評を貰うが、「才能」という「可能性」を持て余して天然で暴れ回っていると観るのが正しいだろう。飛ぶシーンはキキの心象を反映してそれ自体のアクションがいちいち超素晴らしいが、対比的に「飛ばない」シーンが優れているから、双方が輝きを増す。一人で歩く岸壁の砂利道、ウルスラの家を訪れる際に乗る車のヒリヒリした違和感に「重力」を感じさせる。 [review]Orpheus, ぽんしゅう, 緑雨[投票(3)]
★3ワイルドバンチ(1969/米)正義も悪もなく埃と血と脂に塗れてのたうち回る無意味が今日的意味を失わず、むしろ輝いていることは言うまでもない。また、蠍と蟻の咬み合いの開幕に漂う只ならぬ禍々しさ、馬の転倒のスロー描写には涎が出るが、モノクロ静止カットの挿入のタイミングがグダグダになっていくのが象徴するように、演出も意外なほど失速している。「破滅の美学」に感心しない私には演出の焦点の定まらない様相は致命的。 [review]Sigenoriyuki[投票(1)]
★5風の谷のナウシカ(1984/日)ウチでは何かが腐ると「腐ってやがる・・・早すぎたんだ」「焼き払え!」と口にするのが習わしになっている。余談はさておき、口にすれば分かるが、前者は実に変な台詞なのだ。しかし、優れたSFには必ず、その世界でのみ圧倒的なリアルを発散する台詞が登場する。これだけの世界観の充実に神業的演出をかぶされると、マジで漏れちゃう。 [review]緑雨, けにろん[投票(2)]
★5エイリアン2(1986/米)「エイリアン」という生命体を鏡として、等価的に人間の強さが描かれた。エイリアンと人間の「接近」は、『T2』で機械とヒトの接近が描かれた時と同じく、熱さとともに不気味さと悲しさも伴う。人間の怪物性を通じて善悪の相対化の領域にさえ言及するが、それでもなお、あくまでも「燃える映画」に持って行くセンスがやっぱり最高。赤く熱い血の流れる映画。 [review]緑雨, Orpheus, ぽんしゅう, 山ちゃんほか5 名[投票(5)]
★4チャップリンの 黄金狂時代(1925/米)肝のロマンスは丸きり童貞コントだが、だからこそのきっつい哀切さが「寒さ」の中で胸を締め上げる。また、「食欲」のグロテスクなど、チャップリンの真顔ボケ(無痛・無感覚)は時に狂気的なレベルに至り、目が離せない。尾行する熊のきぐるみのおとぼけ佇まい等愛せる要素多数で、コッペパンダンスは劣悪なモノクロ画像の中でこそ輝いている。 [review]3819695, けにろん[投票(2)]
★4スコルピオンの恋まじない(2001/米=独)「40年代前半の米国」の暗鬱は軽々かわされ、懐古的様式美だけが抽出される。その真摯な不謹慎。ハントのとろける目つき、「お色気ムンムン」という死語を地で行くセロンの確信犯に涎。「弁解王」アレンのお家芸は冴え渡り、「梯子を登る」だけで面白いという境地もつくづくズルい。おじさん連のアホ面や抑制されたエイクロイドもハマり、花火と劇伴の可愛さには思わず頬が緩む。いいよ。 [review]ぽんしゅう[投票(1)]
★5ファーゴ(1996/米)例えば、本来ならタトゥーロを配する場所にストーメアを置くこと。そして、究極的な悲哀の固まり=メイシーを軸に据えて笑いを拒むドン引き感。ブシェミを巡る描写も針が振り切れている。雪の白に血の赤がにじみ、暴力と非日常の世界への侵食を示唆する。「滑稽さ」も凍り付く寒さに、マクドーマンドは頑なに「日常的」であることによって対峙する。『ノーカントリー』の時代にもう一度思い出すべき作品。 [review]jollyjoker, 3819695, ぽんしゅう[投票(3)]
★5ヒミズ(2011/日)園子温の「堕落論」。破壊される世界の不条理に対峙するに、お仕着せの美辞麗句や自己愛塗れの善意を拒絶し、怒りと自壊から始めようとする姿。否定や肯定の世界ではない。深い闇に沈潜してこそ見える光。新世界。しかし、そこには常に「コントロール」の問題が立ちはだかる。「泥」(怒り)塗れの天の邪鬼な「ボーイミーツガール」。 [review]寒山, けにろん[投票(2)]
★3ピストルオペラ(2001/日)人間的な戦いのエンタメが「絵あそび」にすりかえられている。「百目」「ギルド」等の用語からは、監視の偏在とか顔の見えない不条理な組織システムの暴力、催眠作用との戦いが予感され、その辺は脚本の伊藤和典押井守組)のセンスが残されるものの、奇矯な絵づくり以外に無関心な清順の子ども騙しなオチでお茶を濁される。これでは伊藤さんが可哀想である。清順の「遊び」は、愛嬌、ではなくて、不真面目。 [review]ぽんしゅう[投票(1)]
★5ウォレスとグルミット ペンギンに気をつけろ!(1993/英)無言のペンギンの所作の充実が凄まじく、隅々まで伝説の悪党感が漂う。この無言に対峙するアクション探偵グルミットの無言にも歴戦の猛者感があり、さながら無言のプロ同士の戦いの様相を呈している。もっとも、手練れかどうかなんて「漂わせる」だけでほとんど説明してないのがミソ。「雄弁な無言」の追求の最高峰の一つだろう。めちゃくちゃ面白い。(末尾は1歳半の娘と本作に関する余談等です) [review]3819695, ナム太郎[投票(2)]
★4ブラック・サンデー(1977/米)原作と監督のスタンスの匙加減がいいのだろう。『ミュンヘン』で感じたような致命的違和感がここにはなかった。大義を巡る要点は整理されて過不足ない。素っ気ないタイトルバックやお偉いさんがぶつぶつ呟く会議、襲撃シーンのドライさ。一方で、隠しても隠しきれないウエットさが滲むテロ首謀者二名の造形。安易に形容しがたい「特殊」な 結びつき。滲ませない演出、滲んじゃう部分双方に惹かれる。「音」への気配りも◎。3819695, ナム太郎, ぽんしゅう[投票(3)]
★3太陽を盗んだ男(1979/日)破裂することを恐れずに繰り返し膨らます風船ガム。反復の予感が喪失された今、有り得ん、いやあ元気だわすげえわファンタジーだわと思う。真にバカげたテロリズムは「闇」から来るのではない。沢田の風貌の明るさも正解だろう。所謂「深淵」って、光で満ちてるのかもしれない。改めて「元気」って邪悪だ、と思った・・・とネタはいいが演出は賞味期限切れのダサさ。 [review]けにろん[投票(1)]
★3マイ・バック・ページ(2011/日)格好付けと暴力衝動に大義の言い訳の上塗りを重ねること。偏執的自己正当化を背後から襲う冷水のような後ろめたさ。安田陥落は冬だが、貫かれる季節感は夏の終わり(正しい)。ユメの跡の草いきれと蒸し暑さから、極寒の浅間へ。殆どこの「リアル」を「ファンタジー」としてしか受け止められない世代だが、普遍的な情感を提示したと思う。山下監督にしては悪意と慈しみの配合が後者に偏向してつらいが。けにろん[投票(1)]
★5赤ちゃん泥棒(1987/米)不可逆性の無常と滑稽を語り続けるコーエンは、象徴的なショットを必ず挿入する。多くが滑稽かつ陰惨な風景(宙を飛ぶ車、死体、流血etc)。が、ここでは「(さらった)赤ちゃんがかわいくて離せなくなっちゃった」と喜びと当惑で半ベソのホリーと、不安な変てこ顔のケイジそして赤ちゃんのスリーショット。嘲笑的でも僅かに優しいのが常だが、これは優しさ全開。「頑張れ」と言っている。まずここで涙が出る。 [review]ぽんしゅう[投票(1)]
★4マネー・ピット(1986/米)「破壊と修復こそ映画」なんて陳腐な物語論だが、基本をシンプルに貫く姿が崇高なのは確か。いいじゃんいいじゃんと思う。製作者という立場だが、破壊王スピルバーグの特質が邪悪な方面ではなく喜劇に昇華している少ない例。キッチンのピタゴラスイッチ的大崩壊のカット割り・カメラ・音響・ハンクスをはじめ、「間」がハイレベル。ハイドンの「驚愕」、空飛ぶ鶏肉を捉えるゴードン・ウィリスの撮影など、笑い所多数。ゑぎ[投票(1)]