コメンテータ
ランキング
HELP

DSCHさんの人気コメント: 更新順(2/22)

人気コメント投票者
★4マッチ工場の少女(1990/フィンランド)「マッチ売りの」ではなく「マッチ工場の」である。雨雪をしのぐ屋根と定収はあり、一応生存には困らないが、地味な悲惨が山積。カティ・オウティネンは実年齢31才で、「少女」と呼ぶには無理があるが、やはり「老けた少女」である必然性があったのだろう。この辺も「絶妙さ」のように感じる。 [review]Myrath, 寒山拾得, jollyjoker, けにろん[投票(4)]
★4ロボコップ(1987/米)懐かしくなって久々に観たらここまで毒々しかったかと唖然。陽気な退廃と残虐性で80年代アメリカの末期症状を刻印する。そして、怒りと疑問こそ人間性の出発点というあられもない洞察。露悪のヘドロの中にダイヤの原石が埋まっている。某サブスクに落ちてるから、さあみんなも「1ドルで楽しむべ!」。 [review]ペンクロフ, ぽんしゅう[投票(2)]
★4戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 史上最恐の劇場版(2014/日)半日かけて、ぶっ続けで観てしまった。それにしても、私は一体、何を観せられていたのか・・・(採点評価は、オリジナルビデオシリーズを含みます) [review]ひゅうちゃん, ペンクロフ[投票(2)]
★4頑張れ!グムスン(2005/韓国)もちろん走る、泣く、顰めっ面で暴れる、そして笑うペ・ドゥナさんに万歳三唱するのが第一義の映画だけど、繁華街の魔窟にほんのりともる善意が、嫌味なくうれしいものがある。で、赤ちゃんはやっぱり宝物なのだ。宝物でなければならないと思う。 [review]寒山拾得, けにろん, おーい粗茶[投票(3)]
★4ロスト・ハイウェイ(1997/米)それまで「穴」「光」「カーテン」を介して異世界と繋がっていたのが、ここから「顔(肉体)」「名前」を介してねじれた迷宮を創造するようになった。それらが「穴」(結節点)になったのだ。そして「穴」は拡散し、偏在するようになる。何が中で外か、前か後か、果てない混沌が広がる。変哲のない部屋、陽光をこれだけ恐ろしく、しかし蠱惑的に撮れる監督はやっぱりいない。 [review]ゑぎ[投票(1)]
★4ノック 終末の訪問者(2023/米)終わった時にスリラーを飛び越して「良いものを観ていたのだ」と気が付いて驚いた。原作が良いのかもしれないが、強迫観念的に物語を説明しひっくり返しにくるシャマランも、寓意の余白を残して冷静に踏ん張ったと思う。抑制の利いたバウティスタさんにも加点。 [review]煽尼采, けにろん, クワドラAS, ゑぎ[投票(4)]
★4最後まで行く(2014/韓国)大山鳴動して鼠一匹の奥行きのなさが残念だが、コーエン嫡流的なノワールコメディとしては十分以上に面白い。即ち運命(プロット)に嗤われる主人公。あたふたと情けなくエネルギーを発散する人間のおかしさ。爆笑ポイント多数。 [review]ひゅうちゃん[投票(1)]
★4ドラッグ・ウォー 毒戦(2012/香港=中国)策謀も、捜査も、痛みや死ですらも、ひたすらに手続き的。無情緒による情緒というものがある。混迷が底無しに深まり、崩れかけても崖っぷちの爪先立ちで無表情を貫くスン・ホンレイから、却って無常感が立ち上がる。好演である。対してひたすらに濃ゆい顔面のルイス・クー。 [review]disjunctive[投票(1)]
★4X エックス(2022/米)腐っても、狂っても、愛。グロテスク。それでも、だからこそ、愛。主線は古典的スラッシャーだが、「B級」というある種の安全牌に甘えない創意と、意外なことに、(不快だが)切ない余韻がある。不穏な俯瞰視点やロングショットの緊張感、監督自ら手がける編集の独創性も見もの。そしてミア・ゴスのポテンシャルの高さ。 [review]t3b, 脚がグンバツの男, kiona[投票(3)]
★5私の少女(2014/韓国)割り切れないものを割り切ろうとするのは想像力の欠如、理不尽な暴力だが、怠慢で脆弱な社会と法は「秩序」を守るため、意識的か無意識的であるかに関わらず、時としてその暴力を振るう。抑制を強いられ、不条理への怒りと、何より己自身の割り切れない揺らぎに震えながら拳を固め、眼を閉じるペ・ドゥナに胸が締め付けられる。「あなたに話す必要はない」。この言葉と越境の重み。彼女のベスト演技かもしれない。 [review]おーい粗茶, 寒山拾得, ぽんしゅう, ペンクロフ[投票(4)]
★4ノースマン 導かれし復讐者(2021/米)動物映画。獣性の発露が人間性の発露と同義になる、まさに神代の物語。あらゆる獣、獣、獣(人間)。正調復讐劇に、火、風、水、土の四大エレメント、光と闇と、昼と夜、そして生と死。もっともらしい顔をして結構な厨二感があって満腹。剣戟に鋼の重みがあり、泥臭くていい。そしてエガースの撮るアニャさんはここでも正しい。お美しい・・・ [review]おーい粗茶, ゑぎ[投票(2)]
★2マリグナント 狂暴な悪夢(2021/米)???「不安、緊張、恐怖、先の見えない展開で観客を宙吊りにし、解決への興味を持続させる。そして、物事には必ず裏表がある。サスペンスの基本だね。」ジェームズ・ワン「ほーん・・・」 [review]ひゅうちゃん[投票(1)]
★3渇き(2009/韓国)神だの背信だの地獄だの、勿体ぶったモチーフが下世話な「痴情のもつれ」とグロ、情念に蹴散らされていく可笑しさ。結局人間てそんなもんやん・・・で済ませていいのか分からない食えない映画。たまにコーエン兄弟がどこまでふざけてるのか分からないの撮るでしょう。あれに近い印象。 [review]寒山拾得[投票(1)]
★5荒野のストレンジャー(1972/米)一見整合性が取れないように見える奇妙な部分が一番の肝のように思える。誰にも(善も悪もなく)容赦ない不条理さは災害を思わせるが、それは公平さですらある。言わばイーストウッドの『ゴジラ』。本気度が窺える「地獄の業火」。 [review]モノリス砥石, ぽんしゅう[投票(2)]
★3ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結(2021/米)一見さんお断りなのか知らないが、そのメンタルで何故そうなるのか分からないキャラの乱舞、百歩譲ってそういう物語としても使い捨て・卓袱台返しの濫用でエモーションが滅茶苦茶。その割に鼠少女の大見得が読めてしまう(感動的だが)等とにかく歪で、ウェットにしたいのかドライにしたいのかどっちやねん、と。しかし、だからこそジョン・シナの真っ直ぐな「信念」の狂気が屹立するとも。 [review]けにろん[投票(1)]
★5君たちはどう生きるか(2023/日)宮崎駿の臓物(はらわた)。 [review]けにろん, Orpheus, トシ, 緑雨ほか8 名[投票(8)]
★4パンズ・ラビリンス(2006/メキシコ=スペイン)「真・『トトロ』」のような趣さえある。地上と地下、生と死、光と闇、安息と苦痛といったあらゆる境界線上、つまり「世界の中心」で振り子のように揺れつつ爪先立ちする物語。その「危うさ」が現実と幻想を巻き込む「迷宮」というモチーフと相即不離で、重層性の見応えが半端ない。「危うさ」こそ世界と思うが、人の親になった今は傾き迷わないように支えることが責務だと、暗鬱な展開と裏腹に背筋が伸びた。演出も切れ味鋭い。水那岐, おーい粗茶, 袋のうさぎ, ぽんしゅうほか5 名[投票(5)]
★5シン・ゴジラ(2016/日)「東京に血糊を塗りたくる」。直接的なえげつない演出に震えた。福島でもいつでも生死を問わず血は流れたのだ。私たちはすぐそれを忘れてしまう。そして私は血を流さなかった。モニタ越しにそれを眺め、破壊へのある種の快感を感じる生理に対し、作家として正直な超破壊を繰り出しつつ、「思い出せ」という寓意も明確。まさか監督から説教されるとは。ムスカよろしく「・・・素晴らしい!」と呟きつつ涙が流れた。複雑な感覚です。 [review]ジョンケイ, Myrath, 荒馬大介, カルヤほか9 名[投票(9)]
★3犬王(2021/日)一世一代、文字通りの命懸けの舞台、ほとんど決死戦みたいなところに振り切れた情念やドラマが収斂せず、何か期待に反した苦味が残る。史実(というほどのものはないのかもしれないが)など無視して、もっと跳躍すれば良かったのに。原作が悪いのか、読み手が悪いのか、私にはよくわからない。あと、アヴちゃん森山未来が負けている。向井秀徳先生じゃいけなかったのか。まあいけなかったのだろうな、、、 [review]水那岐, けにろん[投票(2)]
★4リパルジョン・反撥(1965/英)性にとどまらない生への嫌悪と吐き気の映画だが、嫌悪は果たされない願望の裏返しとしてある。ドヌーヴの目は、閉じるわけではなく、何かを探すようにぎこちなく宙をさまよう。このオープニングからして、ポランスキーの観察と実践は嫌らしいほど精緻で説得力がある。ポランスキーの作家性の本質は五感のレイプ、「侵(犯)すこと」なのだと思う。この技巧のいけにえが、切実な「青春映画」を浮かび上がらせる。 [review]ジェリー, kiona, 袋のうさぎ, ゑぎほか7 名[投票(7)]