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DSCHさんの人気コメント: 更新順(11/16)

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★3デンデラ(2011/日)因習の業の果て、冷炎の地獄(現世)に燃え上がる最後の炎。裁かれる「ヒト」、裁く「神」。血も涙もないカタストロフか、深遠なる神殺しのいずれに振れるかと期待を高める前半の構成は中々。境界を超越して真の闘士となる浅丘ルリ子の凛々しさもよい。秩序=倍賞美津子、破壊=草笛光子の寓意に溢れた対比的配置も効果的だが、だからこそ修羅としてのヒトと審判者の激突が不完全燃焼。神の見せ方が大人しすぎる。 [review]わっこ, 水那岐[投票(2)]
★4ミックマック(2009/仏)スクラップ製の悪戯で暴力をおちょくり倒すという心意気。ユーモアは世界を救う。「暴力はユーモアで軽く凌駕できる、むしろすべきだ、え?何かおかしい?」とでも言わんばかりの素朴な楽観的哲学を浅慮と見るか否かは自由。私はこの愛しき浅慮を肯定する。また、戦争被害を一言で「流れ弾」と示唆する導入が結構鋭い。「ジュネ主義的」なコミカル演出・撮影もクリーンヒット。世界観と矛盾しない。 [review]わっこ, tkcrows, 3819695[投票(3)]
★4ザ・ウォーカー(2010/米)暴力に代わる「こころ」の守り手もまた暴力の執行者であるという矛盾に自覚的で、「真の信仰はお前の中にある。形式や政治の問題ではない」と再構築するワシントンの佇まいからして、風評から推測される十字軍あんぽんたん映画ではない。褐色・赤・黄の色彩で語られがちな焦土描写に対峙する真っ白に焼かれた「光」の荒廃ルックの一貫性がいい。焦土=死の谷というのも効果的。グラサンというアイテムもグッド。 [review]3819695, けにろん[投票(2)]
★1アイ・アム・キューブリック!(2005/英=仏)わざわざ「キューブリック」の名を選んで騙り続けるという、無謀な嘘への妄執。しかも本物と似ても似つかぬ孤独な同性愛者。何がコンウェイをそこまで駆り立てるのか、どれほどの実存的危機が彼を襲ったのか、コンセプトがネタバレしてる時点で後半の興味はその微笑ましい狂気のルーツ一点に尽きると思う。だが、有名人崇拝を茶化す笑いに逃げるだけのだらしなさ、マルコヴィッチの変態演技への甘々な依存ぶりに嘆息。 [review]煽尼采[投票(1)]
★4ドッペルゲンガー(2003/日)役所柄本で驚く必要は全然ないが、ユースケの使い方を見るに付け、黒沢清の「”本当にヤバい奴”描写」の正しさに恐れ入る。劇中でほとんどキャラに笑わせることをしない黒沢演出だが、罪の意識(つまんない言葉!)とか心を統制する全てのタガが外れたような「笑い」を突如放り出すカッティングが最高。ケタケタクルクル笑う永作のコワ可愛さをはじめ、クセになる画が満載。 [review]3819695, けにろん[投票(2)]
★5蒲田行進曲(1982/日)「愛」と分かちがたい「憎」のぐちゃぐちゃが深みを与える「銀ちゃん・・・かっ・・・こいい」。愛も憎もサドもマゾも本質的には変わりないという証明。混沌とした「便宜的に愛とよばれるもの」を描いて比類ないと思う。この混沌とした極端こそ、私が映画に求めるものです。 [review]けにろん, ナム太郎, ぽんしゅう[投票(3)]
★4フレンチ・コネクション(1971/米)フリードキンは「正義」という仮面を被った暴力衝動や焦燥を、街の耳障りな轟音に託して描くのが巧い(特に高架下、地下鉄)。これに不協和音混じりの鼓膜を引き裂くような劇伴、正義が享楽と暴力の言い訳に変質しているドイルの脂汗を映すシャープな撮影が重なる。その歪で下品な「和音」感。ハックマンは下品で適切なお仕事。廃屋は黒沢清もびっくりのクオリティ。 [review]けにろん[投票(1)]
★5バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985/米)過去への愛着を「あーあ、昔は良かったな」と年寄り臭く耽溺するためのものでなく、現在(いま)と未来を輝かせることにつなげるパワーとして、活劇・設定・ネタに必然性をもって結びつける手際の鮮やかさ。何しろ題名が素晴らしい。元気な映画。誠実で元気な映画なんて、世紀末以降はほとんど観たことない。俺たちは「元気であること」に疑い深くなってしまったんだな。あーあ、昔は良かったな、なんて。 [review]山ちゃん, けにろん, ダリア, ナム太郎ほか5 名[投票(5)]
★2リトル・ミス・サンシャイン(2006/米)ポンコツの乗り物を押す、もしくは乗り物に飛び乗るといった描写は、まず例外なく感動的で、この画にテーマを託すことが出来なければ、その映画はまず平均点以下だ。本作では修理屋のご丁寧な解説から導かれるそのシーンは、少なくとも平均水準ではある。しかし、基本的な演出は善意の名のもとで弛緩しており、冒頭の群像の切り取りからして退屈過ぎる。スタートラインの価値観が石器時代の産物。 [review]緑雨[投票(1)]
★5キル・ビル Vol.2(2004/米)復讐者に倒されることを待ち望むかのような倦怠を漂わせつつも、条件反射のように殺しの手練れが顔を覗かせてしまうマドセンの屈折が個人的には好物。その倦怠と渇きが曝されるテキサスの荒野をはじめ、情念とロケ、シーンのケレンの配合が違和感なく完璧で、半端なく高揚する。冒頭のモノクロで悶絶。ラストは勿論、妊娠発覚の下りやギャグが侵食するトレーラーの死闘も最高。 [review]3819695, けにろん[投票(2)]
★5博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964/英)性的欲求不満と疑心に端を発する錯誤の連鎖に収拾がつかなくなる様が最高。キーはコミュニケーション不全。双方向会話は完膚無きまでに機能不全(「暗号」というモチーフが完璧)。調停者たらんとする禿頭米大統領の猫なで声の無力感と可笑しさ。不能コミュを尻目に、爆撃機の「交尾」や「発射」、「体液」などの性的一方通行的モチーフばかりが雄弁に成立(屹立!)し、諧謔王キューブリックの絶技と冷笑が炸裂する。先生ありがとう。 [review]ゑぎ, けにろん, 水那岐, ぽんしゅう[投票(4)]
★4ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!(2007/英=仏)序盤から全体主義のゾンビが跳梁跋扈するあからさまな恐怖映画。ゾンビの巣窟=田舎。ここに「眉間に皺の”天使”」が降り立つ、というのが面白い。裏、もしくは真『松ヶ根乱射事件』(←ネタバレあり) [review]3819695[投票(1)]
★2悪魔を見た(2010/韓国)大義が言い訳化して悪魔化するセレブビョンホンと、善をひっくり返して悪を引きずり出すミンシクが補完し合って助長する構図は『ダークナイト』の系譜上に乗って化ける余地もあったが、単なる快楽殺人鬼でしかなくジョーカーになり得ないミンシクの寸詰まり造形で、善悪の彼岸を描く作劇が矮小化する。ビョンホンの動かない能面の描写も直線的で浅く、「似た者同士」に接近する過程も省略が雑。これは演出家が悪い。 [review]3819695[投票(1)]
★4ブラッドシンプル(1985/米)下世話な話をやたらと面白く撮るコーエンの悪意の濃縮原液。日常が異界化するのではなく、彼らにとっては日常こそが異界であり、錯覚した観客を呑み込むのだ。焼却炉やヘッドライト、ネオンの禍々しい美しさ。そして、ひとの弱さと滑稽が転がす痴話喧嘩を、ねっとりしたたる血が嗤う。笑うのではない。嗤うのだ。 [review]3819695, ぽんしゅう[投票(2)]
★4うなぎ(1997/日)うなぎやUFOに託して「戻らないかもしれない、もしくは存在しないかもしれない何かが戻るのを待つ」という生ぬるくも切実な、しかしもやもやした「待ち」の空気を描くことに成功している。ここにある「誰かと何かを待つ」画は結構いい。悪意と突き放しとサルベージの匙加減が良く、安易に「癒」という言葉を寄せ付けない空気感が好ましい。この映画に「好ましい」なんてちょっと変ですが。 [review]けにろん[投票(1)]
★5モダン・タイムス(1936/米)アクションのテーマ的昇華は随一。「甘んじて自らの身体をオモチャにする」というドMなお家芸神業ギャグと、「オモチャがヒトをオモチャにする」という機械文明のドSな風景がサド=マゾ的に融合し、補完し、高めあう。そして、何がサドでマゾなのか不明瞭になったオモチャの共犯世界に「モダン」が訪れる。それに抗うようにポーレットと咲かす「ヒト」という名の素朴で小さな花。その鼻血級の可憐さ、あたたかさ。 [review]ぽんしゅう, けにろん[投票(2)]
★33時10分、決断のとき(2007/米)こちらの感情をどう誘導したいのかいまいち分からず、「君達どっち行きたいねん」と斜に構えて観ていて、そんな態度だから終盤も何がクライマックスになっているか分からなかった・・・が、終わってみるとそんな温情否定の世紀末的感性が寂しく思える不思議。「スジを通す」ことの崇高と不可解。「情」が生む「予測不能」の結果こそが映画になることを思い出す。甘いような苦いようなお話。 [review]けにろん[投票(1)]
★4グラディエーター(2000/米)暴力のプロである故に身を滅ぼしたと理解しても、やはり暴力的プロたることでしか落とし前をつけられないクロウ親父。菱形陣形!のシャウトが熱くも哀しい。対して、暴力的プロ根性に唾を吐きかけ、欺瞞と謀略のローマを道連れにしようとするが如く自爆的に屈折するピュアニートホアキンが食らう激痛のしっぺ返し。今日的悲哀に満ちている。中盤の端折りが惜しい。 けにろん[投票(1)]
★2ミュンヘン(2005/米)「殺しという行為は、とやかく言う以前に、つまるところ肉体の損壊なんです」と割り切った上で、「ほら、ここをこうやって壊すとびっくりでしょ」と宣うアルトラ放出の病的なキレと、空中分解する説教のいびつなギャップ。制度化された永遠の殺し合いは、告発の対象ではなく、確かにおいしい題材であるだろう。端的に、延々と殺しまくれるからだ。「怒り」よりも、「趣味嗜好」。血に酔うにはシリアス題材選択の動機が不純過ぎる。 [review]おーい粗茶, ぽんしゅう[投票(2)]
★4ゴッドファーザーPARTII(1974/米)劇中に描かれるマイケルはほとんど食事を口にしない。逆説的に、これは食卓の映画だと言っていい。また、これは第一義的に「影」の映画である。深度を増して黒々と沈んだシルエットで語るコッポラウィリス)の画は、全ての人間が亡きヴィト像を通して投げかけられる影であることを示す。ヴィトの幻影(時代の名残)を懐かしみ、そのことによって苦しめられる、「影」として在ることしかできない「こどもたち」。 [review]りかちゅ, けにろん, 煽尼采, ナム太郎ほか6 名[投票(6)]