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[コメント] エイリアン:コヴェナント(2017/米=英)

容赦ないグロはともかく、キーマンがちょっと他に例を見ないレベルで狂っており、このキレ振りは凄いとワクワクしながら見た。私のSF偏差値は全然高くないので詳しい方には序の口なのかもしれないが、手塚治虫が本気で病的な側面を晒したのに触れたような感触がある。
DSCH

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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アンドロイド、AI、ロボットなどのプログラムとか信念、あるいはエラーに基づく行動が第三者の人間からすると狂気に見えるという描写はそこそこありきたりだとは思います。巨人=ゴリアテ=神=エンジニアの母星でウィルスをばら撒くのは「神殺し」というデイヴィッド=ダビデのプログラムなのかエラーなのか分かりませんが、筋書きとしては分かります。

しかし、前作ヒロインを宿主にして「生物」を練り上げる、この描写は結構凄い。アンドロイドの性的倒錯って、誰か描いたことはあるんでしょうか。これ、一時は愛していたと見える相手の、いわば子供みたいな幼生と犠牲者を融合、有り体に言ってセックスさせてるのとほとんど同義でしょう。それも、相手を突き破り喰らい尽くすような妻、子供のセックスを、裸足でしゃがんで眺めて、観察して、愛でて、生まれ出た性の暴力の象徴みたいな「アレ」を祝福して迎えるわけでしょう。これも前作に続き、ギーガーの性的キャラクターを媒介として最大限に活かした「いきもの」の狂気であり、今回は「父」の暴力だと思うんですが、いよいよリドリー爺、怖いもの無しの領域に突入、ヤバイと思います。描かれている事象の是非は関係なく、ヤバイものを嬉々として描いているのを見るのは楽しいもので、次作も辻褄合わせに終始せずヤバイものを見せていただきたいと切に願います。

ちなみにその他のアクションはあんまり面白くありませんでした。シャワールームのシーンは脱力が過ぎると思います。これは老境の遊びなのか、天然なのか、、、あと、アイツが素早いのはあまり好きではありません。第1作のスローセックスな感じが一番雰囲気が出ると思います。

(評価:★4)

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