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[コメント] 野火(2015/日)

開高健が『輝ける闇』で、前線の地獄や人間の営みに無関心なように鳥はさえずり、木々は青いというような描写をしていて、これを思い出した。ビビッドな色彩の中に特権的に与えられた赤(野火と血)。肝の撮影や音の演出が正解(カットを急ぎ過ぎるのは悪い癖)。「餓鬼」の描写は「人が人でなくなること」に関心の高い監督らしさを感じた。
DSCH

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







うまいと思ったのは腹痛の場面。大袈裟に痛がるわけでなく、「いぢぢぢぢ」と地味〜に痛がるのだが、ああ、こんなもんなんだろうな、という生々しいリアルがあり、細部がとても怖い。いやな映画だ。

(海水を飲むシーンがないのは少し残念でした。)

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)おーい粗茶[*] ぽんしゅう[*]

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