[コメント] パンズ・ラビリンス(2006/メキシコ=スペイン)
「真・『トトロ』」のような趣さえある。地上と地下、生と死、光と闇、安息と苦痛といったあらゆる境界線上、つまり「世界の中心」で振り子のように揺れつつ爪先立ちする物語。その「危うさ」が現実と幻想を巻き込む「迷宮」というモチーフと相即不離で、重層性の見応えが半端ない。「危うさ」こそ世界と思うが、人の親になった今は傾き迷わないように支えることが責務だと、暗鬱な展開と裏腹に背筋が伸びた。演出も切れ味鋭い。
(DSCH)
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