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[コメント] ゼイリブ(1988/米)

「(『タクシードライバー』―文学性―予算+愛嬌+天然+カーペンター汁)×B=『ゼイリブ』=ギリギリセーフなB級電波系ストレス解消アクション(主人公が単細胞なので真顔で社会派)」という複雑怪奇。
DSCH

**ネタバレ注意**
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誰でも持ちうる社会と運命への電波ギリギリの懐疑と怒りを低予算真性B的ストレス発散 (プロレスと妙に派手なガンエフェクト)に乗せるトンデモ素敵な体制批判バランス感覚。銀行を襲うシーンのセリフは実に怖い。「俺はガムを噛んでから銃を撃つ。だがガムはもう切れちまった」…口実ができちゃった人のまっすぐな暴力性。爽快だが思い返すとちょっと不穏なシーンが挟まっている。

この人たち、実際善にしろ悪にしろ「受信」してるのだ。ヒトはいつだって「受信」するしかない。本作は一見わかりやすいようだが、ロディ・パイパーの一本気というか単細胞は非常にギリギリヤバくないような、ヤバくなりそうな空気感を醸し出している。最後に化けの皮がはがれるシーンを置いているが、これをやらなければ真理と嘘、狂気と社会をめぐるA級映画になっただろう。たとえば、過激派の言説が別の嘘、「電波」だったとしたら…?完全グレーな第3の勢力があるとしたら…

そんなこと誰も望んでやしないと思いますが(笑)ラストのSEXシーンからエンドロールに流れる潔さは膝たたいちゃうくらい面白いですからね。

細かいことを言うとメグ・フォスターのBBビジュアルな瞳がイケてる。ロディ・パイパーのプロレスもなんだかんだ言ってたいへん面白い。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)山ちゃん[*] 空イグアナ

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