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[コメント] ブロークン・イングリッシュ(2007/米=仏=日)

映画のスタイルの行方がモヤモヤしているSO-SOロマンス
junojuna

 アメリカ×フランス×日本と歴史も文化も違う3カ国の資本が綯い交ぜとなって、字義どおり映画のクリエイティブな線が混淆となって座りの悪いラブロマンスであった。確かにアメリカインディペンデントの雄ジョン・カサヴェテスの娘ゾーイ・カサヴェテスの手によるものとあらば、本作の空気感はなんとなくうなずける向きもあるのだが、どこかしら現代的でキレイな画作り、「フランス」や「日本」という異文化に寄せる目配せの甘さなど、どこか幼さが垣間見えて、それこそ空気感だけで過ぎてしまった凡作であると言わざるを得ない。これはソフィア・コッポラ然り、どこかムードだけに敏感で表現が達者な若輩者の所業であるのみといった拙さである。恋愛であろうが、人間であろうが、描くものが感情であるならば、本来作家が自らの内に秘めたドロドロなるものが、作品に投影するような形でありながらどこかストイックな苦しさが必要である。ややもすればエリートの憂鬱といったどうぞお好きにといった感が否めない作品となってしまう。まだまだ修行が足りない。

(評価:★3)

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